荒川区、全中学校に防犯教育プログラム「レイの失踪」を導入

株式会社Classroom Adventureと荒川区は、区内すべての中学校を対象に、闇バイト防止を目的とした情報リテラシー教育プログラム「レイの失踪」の提供を開始したと2026年7月7日に発表した。 レイの失踪は、若者がSNSなどを通じて闇バイトに関わる危険を学ぶ追体験型のネットリテラシープログラムだ。インターネットを通じた犯罪が低年齢化・巧妙化する中、ゲーミフィケーションを活用した追体験型プログラムを通じて、生徒が犯罪リスクを「自分ごと」として捉え、危険を回避する力を育むことを目指している。 背景には、若者がSNSなどを通じて気軽に特殊詐欺や強盗といった凶悪犯罪に加担してしまう「闇バイト」が社会問題となっていることがある。警察庁の統計によれば、闇バイト関連の逮捕者の8割を10代・20代の若者が占めており、中には中学生が含まれるケースも報告されているという。 荒川区では、Classroom Adventureの講師が中学校を訪れ、ワークショップ形式で授業を行う。Classroom Adventureによると、自治体が主導し、区内すべての中学校へ一斉に導入する事例としては全国初としている。 プログラムでは、失踪した友人レイのSNSを探索しながら、闇バイトに勧誘され、個人情報を奪われ、抜け出せなくなる流れをたどる。リアルに再現されたSNS環境で謎解きを行い、座学だけでは伝えにくい危険性や回避の方法を学ぶ内容だ。 学習する内容は、「狙われない」「騙されない」「ハマらない」の3つだ。どのような投稿が犯罪グループの標的になるのかを理解し、自分の情報発信を見直す。巧妙な勧誘の手口や隠語を見抜く力を養い、一度関わると抜け出せなくなる仕組みを理解する。併せて、自分や友人を守る方法を学ぶ。 6月24日には、荒川区立第一中学校で授業が行われた。荒川区長の滝口 学氏は、闇バイトはアルバイトではなく、強盗や詐欺などの重大な犯罪の実行犯に仕立て上げるための罠であり、完全な違法行為と中学生に伝えた。さらに「『怪しいな』と迷ったり困ったりしたときは、一人で抱え込まないでほしい。授業を通じて、自分でしっかりと考え、一歩を踏み出す力を学んでください」と述べている。 Classroom Adventureは、慶應義塾大学の現役学生が立ち上げたEdtechスタートアップだ。ゲーミフィケーションを活用した学びを創造し、闇バイトの危険性を疑似体験できる「レイの失踪」のほか、誤情報や偽情報をテーマにした「レイのブログ」などを提供している。

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