(CNN) イスラエル警察によると、イスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で11日、CNNなどの記者らを襲撃した入植者4人が逮捕された。 記者たちは、昨年7月にユダヤ人入植者らに撲殺されたパレスチナ系米国人、サイフ・ムサレットさんの死から1年の節目を取材するため、ラマラ北部のシンジル付近にいた。 ムサレットさん殺害現場にCNN取材班をはじめとする記者団が到着して数分のうちに、イスラエル人入植者らが現れた。記者らがその場を離れようとすると、入植者4人の集団が車で道をふさぎ、車両の進行を阻んだ。 入植者4人は木や金属の棒と石を振り回していた。ある入植者はナイフでCNNの車両のタイヤをパンクさせようとした。 入植者たちは、CNNの車両の後ろにいた、別の記者団の車両に飛び乗り、フロントガラスをたたき割った。別の入植者の一団は、もう一つの脱出経路をふさごうとし、やがて記者らをシンジルの町のほうへと追い払った。 現場にやってきた警察は、容疑者4人を逮捕したあと、近くで4人が乗っていた車両を発見したと述べた。車両の中からはこん棒とナイフを押収したという。 「イスラエル警察と(イスラエル国防軍)は、いかなる暴力の表明や財産損壊も極めて深刻に受け止めている。それが業務を遂行している報道関係者に関わる場合はなおさらだ」と警察は声明で述べた。 2025年7月のムサレットさん殺害を受け、ハッカビー駐イスラエル米大使はこれを「犯罪かつテロ行為」と呼び、当局に捜査を求めた。しかしムサレットさんの父親はCNNに対し、逮捕者はひとりも出ていないと語る。 今回の襲撃の数日前には、ロー・カンナ米下院議員がヨルダン川西岸のトゥルムス・アイヤ付近で入植者たちに拘束されていた。このあたりには数千人のパレスチナ系米国人が暮らしており、地域の入植者たちから繰り返し襲撃を受けている。 イスラエルのネタニヤフ首相は7日のCNNとのインタビューで、入植者による暴力の問題が「信じられないほど拡大している」と述べ、実行者たちを「非行少年」150人の集団だと表現。警察と軍は「行動を起こしている」が、イスラエルの裁判所は入植者による暴力で有罪となった人々に対して「非常に寛大だ」と述べた。 ネタニヤフ氏のこうした発言にもかかわらず、ヨルダン川西岸では入植者による暴力が急増しており、中にはイスラエル兵が傍観しているケースもある。この状況は、イスラエル政府が同地区全体で入植地を急速に拡大させている動きと連動している。