【福島良一コラム】250周年MLB球宴は村上宗隆1発に期待、50年前は刑務所上がりの選手活躍

いよいよ、7月14日(日本時間15日)は、MLBのオールスターゲーム。今年はアメリカ建国250周年を祝い、建国ゆかりの地フィラデルフィアで開催されます。それだけに歴史的な祝祭やお祭り騒ぎで最高に盛り上がる試合になること間違いなしですが、その前に50年前の真夏の祭典を振り返りたいと思います。 1976年のアメリカ建国200周年も、同じフィラデルフィアが舞台でした。当時フィリーズの本拠地球場だったベテランズスタジアムは何と6万3974人の大観衆。ナ・リーグの4番「ロケット砲」で有名なジョージ・フォスター(レッズ)が2ランを含む3打点でMVPに輝きましたが、私にとって最も印象深かったのは2人の選手でした。 まずはタイガースのロン・ルフロア外野手。その名前を聞いてピンときた読者もいるかも知れませんが、彼は刑務所上がりの大リーガー。強盗で逮捕され、刑務所内で野球を覚えたという逸話があります。その年シーズン序盤から30試合連続安打など大活躍し、ア・リーグの1番打者として初回いきなりヒット。その型破りな人生は「One in a Million」という映画にもなりました。 もう1人は同じタイガースの新人マーク・フィドリッチ投手。テレビの人気番組「セサミストリート」に登場するビッグバードに似ていることから、あだ名は「ザ・バード」。ボールに話し掛けて投げるなど風変わりな投手から一躍全米の人気者となり、ア・リーグの先発投手を務めたのが今でも忘れられません。 さて、今年の建国250周年を祝うオールスターゲームですが、ドジャース大谷翔平投手が左ひざの状態を考慮して、残念ながら出場辞退となりました。しかし、その一報が入ってガッカリした矢先に、何とホワイトソックス村上宗隆内野手が出場という、うれしいニュースが飛び込んできました。 メジャー1年目の村上はシーズン前半戦を豪快なホームランで大いに盛り上げました。そして、10日(同11日)に右太もも裏の張りのけがから戦列復帰するやいなや、その復帰を待っていたと言わんばかりに本塁打競争だけでなくオールスター出場も発表。今更ながら、メジャーは話題作りがうまいと改めて感心させられました。 今回のオールスターゲームは、大谷がいなくても見どころ満載です。何と言っても、大谷が所属するドジャースからフレディ・フリーマン一塁手、マックス・マンシー三塁手、アンディ・パヘス外野手と3人が先発出場。前回フィラデルフィアで行われた96年の球宴は当時ドジャースのマイク・ピアザ捕手がMVPに輝いただけに、今回もドジャースからMVPが選出されるか注目です。 それと地元フィリーズから最多6人がオールスターに選出されました。その中でエンゼルス時代に大谷の同僚だった、ブランドン・マーシュ外野手が先発出場。他にも千両役者のブライス・ハーパー、カイル・シュワバーといった超豪華な顔ぶれ。やはり、地元チームから多くの選手が出場するほど大変なお祭り騒ぎとなります。 さらに、地元の選手と言ってもいいエンゼルスの大スター、マイク・トラウトが3年ぶり12度目の選出。彼はフィラデルフィア近郊の出身で、14、15年と2年連続オールスターMVPにも輝いたお祭り男。かつて同僚だった大谷との最強コンビ「トラウタニ」の競演は見られませんが、「現役最高選手」と称された2大スター、ハーパーとの対決も楽しみです。 最後に今季限りで現役引退を発表したタイガースのジャスティン・バーランダー。大リーグ機構は現役引退を受け、今季の球宴に「レジェンド枠」で選出。現役最多の通算266勝を挙げ、3度もサイ・ヤング賞に輝き、大谷とも幾多の名勝負を繰り広げてきた大投手の多大な功績をたたえる、メジャーならではの粋な演出です。 他にも見どころいっぱいですが、やはり最大の注目は日本のスラッガー村上の1発。大谷の代わりに俺が打つと言わんばかりに、アメリカ建国250周年を祝う巨大な花火ように、彼独特の夜空に高々と舞い上がるホームラン、ムーンショットならぬ“ムーニー”ショットを期待したいと思います。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

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