「様子を見ましょう」警察に突き放されたあの日から スマイリーキクチさんが語るネット中傷の27年【前編】

あなたは、インターネット上で誰かを傷つけたことがあるでしょうか。あるいは、根拠のない情報を拡散したことがありますでしょうか?「ない」と答える人が多いと思います。しかし、SNSで「気をつけて」と書き添えてシェアしたあの投稿が、実はデマだったとしたら——。 ネットとの向き合い方について啓発活動をしている一般社団法人インターネット・ヒューマンライツ協会代表で、タレントののスマイリーキクチさんは、現在、全国各地の学校や地域で講演活動を続けています。 その原点にあるのは、1999年から27年にわたって続く、壮絶なネット誹謗中傷の被害体験です。 8日、金沢市内で行われた講演とインタビュー取材をもとに、情報との接し方や、ネットの人権侵害と現状、SNSの注意点とトラブル対策について考えます。 ■「殺人事件の共犯者」たった一つの書き込みが、人生を狂わせた 1999年、スマイリーキクチさんはある日突然、インターネット上で殺人事件の犯人だというデマを書き込まれました。それは、東京・足立区で実際に起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」に、本名と同じ「キクチサトシ」という名前が関係者として書き込まれたことが始まりでした。 事実として、事件の犯人はすでに逮捕されていました。にもかかわらず、書き込みはみるみるうちに拡散し、2000年ごろには「犯人一覧」のなかにスマイリーキクチさんの名前が「共犯」として掲載されるまでになります。 やってもいない「お笑いのネタ」まで捏造され、なりすましアカウントまで登場しました。 所属事務所には「なぜ人殺しをテレビに出すのか」という苦情が殺到し、テレビ局やスポンサーにまで飛び火。決まっていた仕事が突然なくなることも相次ぎました。スマイリーキクチさんは当時を振り返り、こう語っています。 スマイリーキクチさん「まさか27年続くなんて夢にも思わなかった。『火のないところに煙はでたね。てめえやってねえ証拠出せ。死んで証明しろよ』って、もう1000件、2000件、殺害予告と誹謗中傷が来た」

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