尹錫悦検察は一体何をしたのか【コラム】

与党「共に民主党」のノ・ウンレ前議員の控訴審での無罪判決をめぐって、激しい論争が繰り広げられている。 「二度と国家権力の悪用によって罪なき国民が犠牲になることのない国を必ず作り上げる」(李在明大統領) 「検察がでっち上げとフレームで罪なき人間を捕らえたケース」(キム・ミンソク民主党代表) 「無実の人間を犯罪者に変えたハン・ドンフン議員は謝罪せよ」(シン・ヒョニョン民主党報道担当) 「金を受け取っていないという判決ではなく、違法収集の証拠が裁判所で認められなかったに過ぎない」(チャン・ドンヒョク「国民の力」代表) 「証拠能力が排除されたことと検察の捜査がでっち上げだったこととは、まったくの別問題」(パク・ソンフン「国民の力」首席報道担当) 最も激しく反応したのは、2022年12月に法務部長官として国会本会議場でノ・ウンレ前議員の逮捕同意を求めた無所属のハン・ドンフン議員だった。 「捜査検事が追加で令状を取得していなかったことを問題にし、裁判所が違法収集された証拠だとして証拠から排除したという形式的な理由で無罪となろうと、金の入った封筒を受け取ったという実体はなくならない。無実で誤ったことはしていないかのように主張し続けるなら、国会で議員全員でその録音ファイルを一度聞いてみよう」 「厚かましく李在明(イ・ジェミョン)の公訴取り消しのビルドアップをしている。絶対に阻止しなければならない」 これではほぼ集団のけんかだ。ホン・ジュンピョ前大邱(テグ)市長が争いの真っただ中に飛び込んだ。こう主張した。 「米国の刑事裁判では、無罪は『ノット・ギルティー(NOT GUILTY)』と言い、『イノセント(INNOCENT)』とは言わない。近代刑事司法手続きが整備され、人権保障が最優先の価値となったため、10人の犯人を逃すことがあっても1人の無実の人間を作ってはならないという無罪推定の原則が定着したからだ。イノセントは人間の領域ではなく、神の領域での判断だということも影響した。無罪は潔白であるという意味ではなく、刑事手続き上は罪とならないという意味に過ぎないが、現代社会がそれを受け入れるのは制度上、それが不可避だからだ。違法収集で証拠から除外された音声記録を公開しようと主張するのは、刑事手続きを根本的に否定する人民裁判のようなものでしかなしえない無知で無学な主張だ」 ホン・ジュンピョ前市長は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領時代からハン・ドンフン議員を激しく攻撃してきた。やり過ぎなことも多かった。しかし、今回の主張に誤りはない。ハン・ドンフン議員は録音ファイルを聞こうと無理を言うのではなく、検察の違法な証拠収集について謝罪すべきだ。 今回の事件は、尹錫悦検察の強引な捜査と起訴のうちの一つに過ぎない。尹錫悦検察は野党代表の政治生命を絶つために標的捜査をおこなった。前の政権の政策判断に刑事法を突き付けた。民主党の金一封事件が発覚すると、違法に証拠を収集して政治家を起訴した。無理な捜査と起訴に対して裁判所が無罪を宣告するのは当然だ。 就職請託の疑いで起訴されたキム・ヒョンミ元国土交通部長官やノ・ヨンミン元大統領府秘書室長らにも、無罪判決が言い渡された。西海(ソヘ)銃撃事件で起訴されたソ・フン元国家安保室長、キム・ホンヒ元海洋警察庁長官、パク・チウォン元国家情報院長らも無罪。金一封事件で起訴されたソン・ヨンギル議員、ホ・ジョンシク議員ら政治家も無罪。裁判所の判決内容を見ると、尹錫悦検察による捜査と起訴がどれほどずさんだったかが容易に分かる。 一方、キム・ゴンヒ女史は徹底して見逃してやっていた。手抜き捜査の末、ドイツモーターズ事件は嫌疑なしとした。政権交代後、キム・ゴンヒ特検が改めて捜査して起訴し、裁判所は次々と有罪を宣告している。クォン・チャンヨン特検は最近、イ・チャンス元ソウル中央地検長らドイツモーターズ株価操作事件を捜査し、嫌疑なしとした尹錫悦検察の5人の元・現職検事を起訴した。万事必ず正しきに帰す日も遠くない。 尹錫悦検察は一体なぜあのようなことをしたのだろうか。尹錫悦検察は大韓民国を破壊する怪物だった。歴史がある。盧泰愚(ノ・テウ)政権は検察共和国だった。軍の出身者が退いた空白を検事が埋めた。 その後、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の時代に至るまで、検察は政権に乗っかり、やがてそれを超えるという神業で権力を保ち続けた。政権初期には前の政権を洗い出し、政権後半期には現政権を洗い出した。政権は有限であり、検察は永遠だった。 そしてついに、検察は政権を飲み込んだ。検察主義者 尹錫悦が大統領に当選した。検政同一体という怪物の誕生だ。しかし、怪物は自らの力と体重に耐えられず、よろめき倒れて死んでしまった。悲しい話だ。 ソン・ハニョン|政治部先任記者 (お問い合わせ [email protected] )

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