【AFP=時事】地中海のキプロス沖で30日、旅客フェリーが転覆・沈没し、少なくとも8人が死亡、10人以上が行方不明となっている。 救出された複数の乗客が地元メディアに語ったところによると、フェリーが転覆する前に船首で爆発が起き、船内では救命胴衣の数が不足していたという。 このフェリーはキプロス島北部の北キプロス・トルコ共和国の港からトルコ本土に向けて出港し、キプロス島沿岸6.5キロほどの沖合で転覆した。 トルコのテレビ局が放映した映像には、オレンジ色の船底を上にして水面に浮かぶフェリーと、救命胴衣を着用してその上に乗る人々の姿が映し出されていた。 エフェ・ムルティジさんはCNNトルコに対し、「救命ブイや救命胴衣がないまま飛び降りざるを得なかった人もいた。文字通り生き残りをかけた戦いだった」と語った。 当局によると、フェリーには乗客乗員合わせて267人が乗船しており、そのうち161人が救出されて病院に搬送され、76人が帰宅した。 キプロスの公営通信社TAKは、17人が行方不明になっていると伝えている。 北キプロス・トルコ共和国のウナル・ユステル首相は、船長と乗組員7人が逮捕されたと発表した。 また、エルフン・アリクリ運輸相は、フェリーが「深さ514メートルの海底に完全に沈没した」と述べ、同船の「ブラックボックス」が沈没の原因を解明する手がかりになるだろうと付け加えた。 アリクリ氏は何らかの物体が船体に衝突した可能性に関する疑惑にも言及した。 乗客の50代男性は救助後、地元のTRNCテレビに対し、「前部が爆発し、旋回しようとした。そして側面の窓が吹き飛んだ。船が浸水し始めた」と語った。 男性は、浸水が始まった瞬間、多くの人がフェリーの内部にいたと振り返り、「外に出られた人だけが脱出した」と述べ、船長が「何の指示も出さずに」真っ先に船を捨てた者の中にいたのを目撃したと付け加えた。 トルコのみが承認している北キプロス・トルコ共和国は、1974年以来分断されているキプロス島の北部3分の1を実効支配している。【翻訳編集】 AFPBB News