東京・中野ブロードウェイで、白昼堂々2億円相当の高級腕時計が盗まれる事件が発生し、チリ国籍の男2人が逮捕された。従来、窃盗事件といえば「深夜」が定説だったが、近年は日中の発生が増加している。 警察庁によると、2025年の「侵入窃盗」は住宅以外の店や事務所などが6割以上に上っている。狙いが住宅から店舗へ移っているのだろうか。 中野ブロードウェイの事件が起きた10日前にも、同様のことが起きている。8月15日、名古屋市で時計と宝石の店に2人組が入り、ハンマーでショーケースを割り腕時計15本を盗んだ。犯行は午前11時半で、店員は店の中にいた。 2023年5月に東京・銀座では、午後6時18分ごろ、白い仮面をつけた4人が中古の腕時計店に押し入った。強奪されたのは74点、販売価格でおよそ3億円相当で、4人は16歳〜19歳の少年だった。当日のうちに全員が逮捕されている。 2024年8月に大阪・心斎橋では、白昼に6280万円相当の腕時計が奪われ、店員が刺された。いずれも店が開いている時間だ。 鎌倉の質店で起きた2024年9月の白昼強盗事件の裁判では、実行役のほか、すぐさま逃走できるようにエンジンをかけた車が待機する人物もいた。あえて言えば「短期決戦」での強行突破だ。 昼はそもそも営業中で窃盗や強盗を想定しておらず、こじ開ける頑丈なシャッターもない。店員や人目さえも気にせず、警察が通報を受けて現場に駆けつけるより素早く逃走すれば良いという考えなのか。 元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は「ショーケースを割って盗むのは素人の証拠。犯罪組織の黒幕はカネさえ手にすればいいので実行役は使い捨て。捕まっても良い前提で犯行を指示している。そう考えると昼という時間はこの形の犯罪に都合がいいとも言える」と分析する。 そしてもう一つ重要なポイントがある。犯人の人数とその動機だ。今回、中野で起きた事件こそ容疑者は外国籍の2人組だったが、銀座の実行役4人はトクリュウとみられており、その日のうちに捕まっている。 防犯アドバイザーの京師美佳氏は「白昼窃盗はハイリスクですが商品や現金が店に揃っているという意味ではハイリターン。トクリュウ型であれば実行役が捕まるリスクよりハイリターンを狙う」と指摘する。 「昼だから安全」という前提は、すでに崩れている。 (『ABEMA的ニュースショー』より)