東京女子医大の新校舎建設を巡り、大学に不当な報酬を支払わせて損害を与えたとして背任容疑で逮捕された元理事長岩本絹子容疑者(78)が、大学と男性1級建築士(68)との契約成立前から、報酬の還流に関し建築士の了承を得ていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。 還流は計画的だった可能性があり、警視庁捜査2課が経緯を調べている。警視庁は15日、岩本容疑者を送検する。 捜査関係者によると、岩本容疑者は側近の女性(52)を通じて、報酬の3分の2を還流させるよう事前に建築士に持ちかけた。了承を得た後、2018年2月の理事会で、新校舎建設で建築士とアドバイザー契約を結ぶよう大学に推薦した。 建築士は報酬約1億1700万円から税金を差し引いた額のうち、約3700万円を側近に現金で手渡した。岩本容疑者へと渡り、ブランド品の購入などに充てられたとみられる。 大学の第三者委員会の報告書によると、建築士は16年4月に非常勤嘱託職員として大学に採用された。18~22年には給与とは別にアドバイザー報酬として計約3億円も受け取っていた。