5人死亡の名張毒ぶどう酒事件 死刑執行に関する文書不開示は「適法」 名古屋高裁

1961年に発生した名張毒ぶどう酒事件で無罪を訴えながら獄中死した元死刑囚の弁護士が死刑執行に関する文書の開示を求めた裁判で、名古屋高裁は原告の請求を改めて棄却しました。 名張毒ぶどう酒事件は1961年に名張市で発生し、農薬が入ったぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡しました。 事件に関与したとして逮捕された奥西勝元死刑囚は一審で無罪判決がくだったものの、二審では逆転の死刑判決となり、無罪を訴えながら2015年に89歳で獄中死しました。 奥西元死刑囚の弁護団は2021年に「死刑執行上申書」などの開示を求めましたが、法務省は文書が存在するかしないかさえ明らかにせず、不開示としたことから決定の取り消しを求めて提訴していました。 一審、二審ともに原告の請求を棄却する判決でしたが、最高裁は「文書の存否を答えるだけで不開示にすべき情報の開示にあたるのかを判断していない」として名古屋高裁に審理を差し戻していました。 11日に開かれた差し戻し審で名古屋高裁は、上申書の存否が分かれば死刑確定者が自身の死刑執行の時期などを憶測するなどして「精神的安定性を失い、刑事収容施設の秩序の維持を阻害する事態が生じるおそれがある」と指摘しました。 そのうえで不開示とした判断については、「裁量権の逸脱や乱用」は認められず適法だとして、原告の訴えを改めて退けました。 原告の見田村勇磨弁護士は「公の情報は国民に開示されるべきという情報公開法の大原則をないがしろにする判決と言わざるを得ない」と述べ、上告する方針を示しました。

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