NHKは9月9日、20代の記者を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。 NHKは当該記者の処分について「相手方の同意なく性的な身体接触をおこなった。こうした行為が職員としてふさわしくないと判断した」と説明。井上樹彦会長は、文書でこうコメントしている。 《ことし1月に『NHKハラスメント防止・撲滅宣言』を行い、4月には『NHK人権方針』を策定し、組織をあげてハラスメントなど人権問題への取り組みを強めているさなかに、職員によるこのような事案が発生し、痛恨の極みです。NHKに対する信頼を損ねることとなり、視聴者の皆さまに深くお詫びいたします》 NHKでは4月30日付で、報道局スポーツ情報番組部所属の50代のチーフ・ディレクターを諭旨免職の懲戒処分にしたばかり。理由は、3月に渋谷区内で女性にわいせつな行為をしたなどとして、不同意性交等の疑いで警視庁に逮捕(その後不起訴)されたことだった。さらに8月には、同局の職員が番組出演者との懇親会後に性被害を受けてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症して休職したこと、その後、別の部署での復職を希望したが、人事担当者が特段の配慮や異動を認めなかったことが発覚。組織としての対応が不適切だったとし、謝罪する事態となった。 「今回、懲戒免職処分を受けたのは、関東甲信越の局で報道記者として働いていた、20代の男性です。東京大学の体育会出身で、入局後は地方で独自ニュースを手がけるなど、将来を嘱望された人材でした」(NHK関係者) 優秀な人物だったようだが、内面についてはこんな心配も寄せられていた。 「プライドが高い性格でした。入社年次を踏まえた異動のタイミングだったこともあり、本人は東京の政治部を希望していたといいますが、ライバルに敗れ、別の地方局への異動が決定していました。これには納得がいっていない様子でした。そんななか、女性の外部スタッフと会食した際、無理やりキスを迫ったというのです。 女性が上司に相談して被害が発覚し、異動は取り消しに。さらには懲戒免職になったということのようです。チーフ・ディレクターが4月末に諭旨免職されて以降、NHK内ではコンプライアンスに関する対応が厳しくなりました」(同前) 事実関係について、NHKの広報部に問い合わせると、「個人名を含む事案の詳細についてのお答えは差し控えます」との回答だった。 優秀な記者が起こしたハラスメントの代償は、大きかった。