Kanishka Singh Jonathan Landay Patricia Zengerle [ワシントン 23日 ロイター] – トランプ米大統領は24日の中国の習近平国家主席との首脳会談で、中国に拘束されている米国人2人の解放を求める見通しだ。ただ、チベットや少数民族ウイグル族を巡る問題など、より広範な人権問題について議題にするかどうかは不透明だ。 米政府高官の1人は18日、トランプ氏が中国で不当に拘束されている人々の問題を習氏に提起する可能性が高いと説明したが、ホワイトハウスはチベットやイスラム教徒が多いウイグル族、中国が新たに制定した「民族団結」を巡る法律など、幅広い人権問題を直接取り上げるかどうかは明言していない。 複数の人権活動家の話では、トランプ氏は中国を含め、海外で拘束されている米国人の解放を政権の重要課題としている。 一方、トランプ氏は中国の人権状況への言及をおおむね避けてきており、イスラエルのネタニヤフ首相やサウジアラビアのムハンマド皇太子、インドのモディ首相ら各国首脳との会談でも、人権問題を公式に取り上げていない。 トランプ氏は習氏に対し、2024年末から収監されている中国出身の北朝鮮核実験専門家ユウリン・チェン氏と、6月に逮捕された研究者ミン・ジン氏の解放を求める見通し。チェン氏の妻ユーファン・ロン氏が明らかにした。2人はいずれも米国籍を持つ。 ロン氏によると、トランプ氏は5月に北京で習氏と会談した際にもチェン氏の問題を提起したが、その後進展はないという。 人質問題に取り組むジェームズ・フォーリー財団のエリザベス・リチャーズ調査部長は「今回の会談後、チェン博士とジン氏が帰国することを期待している」と述べた。 これに対して人権団体や野党民主党議員はトランプ氏に、中国政府によるチベット人やウイグル族への対応についても習氏に圧力をかけ、香港の民主派を支持する姿勢を示すよう求めている。 複数の民主党議員は、トランプ氏が人権問題への対応を弱め、国際関係を取引中心で捉えていると批判。ジム・マクガバン下院議員は23日に「外交政策で人権を放棄することはできない。中国のこれまでの対応は、議論の余地はないほどひどい」と発言した。 中国政府は人権問題を議題とすることを拒む姿勢を示している。中国の駐米大使は23日、民主主義と人権は越えてはならない「レッドライン」だと警告した。 ウイグル族を巡る問題に関して中国側は、過激主義を抑えるため「職業技能教育訓練センター」を設置したとしており、人権侵害との指摘を否定。さらにチベット統治でも人権団体や亡命者らの「抑圧的」との非難に反発している。 ただ米国ではこれまで共和、民主両党の政権の国務長官が、中国政府によるウイグル族への対応を「ジェノサイド(集団殺害)」と認定している。世界ウイグル会議のトゥルグンジャン・アラウドゥン議長は「習氏のワシントン訪問は、ウイグル人に対するジェノサイドを非難する言葉だけの段階から先に進むための戦略的な機会だ」と訴えた。