2024年12月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。 ※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。 ●12月 【事件】福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人が刺される [被害]死者1人 負傷者1人 2024年12月14日20:25頃、福岡県北九州市小倉南区のファストフード店で、レジに並んでいた中学生の男女2人が男に突然、刃物で刺される事件があった。刺された2人のうち、腰付近を負傷した男子生徒は一命を取り留めたものの、腹部を刺された女子生徒は死亡した。刺した男は現場から逃走し行方をくらましていたが、事件から5日経った19日午前、現場近くに住む43歳の男が逮捕された。警察によると、防犯カメラやドライブレコーダーの映像を収集し、それらをつなげて足取りを追う「リレー捜査」が逮捕の決め手となった。 この事件の影響で、被害に遭った2人の中学校では16日、臨時休校の措置が取られた。また、市内ではパトロールにあたる警察官が増員され、教員や保護者のほか、市役所職員、地域住民らも生徒らの登下校の見守りにあたる厳戒態勢となった。事件によって不安を感じ登校を控えた児童・生徒もおり、19日までに市内でのべ1万人以上が登校を控え、オンラインで授業を受けるなどした。 【健康被害】インフルエンザの流行が急拡大 12月以降、インフルエンザの患者数が大幅に増加し、流行が急拡大している。 定点当たり報告数(インフルエンザで医療機関を受診した報告数(患者数)を定点数(対象医療機関数)で割った値(平均))は、2024年第49週(12月2日~8日)には9.03人だったが、第50週(12月9日~15日)には19.06人、第51週(12月16日~22日)には42.66人、第52週(12月23日~29日)には64.39人と月末にかけて大幅に増加した。9月上旬以降これまでの今シーズンの累積の推計受診者数は約593万7000人にのぼっている。 また、今シーズンのインフルエンザウイルスの検出状況をみると、その大半が「AH1pdm09」(2009年に世界的流行をもたらしたインフルエンザウイルス)で占められている。 こうした流行の急拡大により、医療機関では病床が逼迫し、救急搬送が困難となる事案が増えている。また、咳止め薬やタミフルなどの抗インフルエンザ薬が不足し供給が一時滞る状況となっていることから、厚生労働省は医療機関や医薬品販売事業者に対して、過剰な発注を控えるとともに、地域の薬局間での連携や代替薬の使用などを呼びかけている。 今シーズンの流行の急拡大の背景には、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で感染対策が徹底された結果、インフルエンザが流行しない年が続いたことにより、インフルエンザをはじめ様々な感染症に対して免疫を持たない、あるいは免疫力が低下した人が多いことに加え、年末を迎え人の往来が増える時期に入ったことが挙げられている。 厚生労働省は、基本的な感染対策として、手洗い、医療機関受診時や混雑した場所へ行く時のマスクの着用とともに、重症化を予防するためのワクチン接種を呼びかけている。