【考察】米国によるICC赤根智子所長への制裁 「傍観は世界の信頼を失う」力の支配と日本のジレンマ

構想日本の加藤秀樹代表が、日本の現状や未来への提言を語るOBSラジオのコーナー「加藤秀樹が語る、日本の未来構想」。今回のテーマは、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に対するアメリカの制裁問題。国際機関のトップに立つ日本人が、同盟国であるはずのアメリカから制裁を科された。一見すると遠い所の出来事のように思えるこの事態は、実は「日本の在り方そのものを根底から問い直す重大な事件」だと加藤氏は指摘。国際社会における「力の支配」と「法の支配」の対立、そして日本が直面するジレンマについて考察した。■国際司法の役割と大国の反発オランダの事実上の首都であり、フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」で知られ、日本人にもゆかりの深い街・ハーグに本部を置くICCは、国家ではなく「個人」を裁く国際機関である。対象とするのは、集団殺害(ジェノサイド)、人道に対する罪、戦争犯罪、そして侵略犯罪の4つが中心だ。ロシアのプーチン大統領やショイグ前国防相、イスラエルのネタニヤフ首相、ハマス幹部のモハンマド・デイフ氏らに対し逮捕状を出している。現在125か国が加盟しており、逮捕状が出た人物が加盟国に入国した場合、その国には対象者を拘束する義務が生じる。しかし、アメリカ、中国、ロシア、イスラエルなどの国はICCに加盟していない。それどころか、アメリカのトランプ政権は、ネタニヤフ首相らへの逮捕状発行などを理由に、ICCに対して制裁を科すという強硬手段に出た。このアメリカに対し、EUや中南米諸国、国連事務総長、さらには中国までもが「国際法の秩序と法の支配に対する重大な脅威である」と強く非難し、加盟国は揃ってICC支援を表明している。逮捕状を出されているプーチン大統領すら「これはアメリカの覇権主義的なダブルスタンダードである」と批判している。■アメリカの顔色をうかがう日本の現状世界各国がアメリカの姿勢に猛反発する中、対照的なのが日本の対応だ。日本はICC全体の14〜15パーセントの資金を分担する最大の支援国であるにもかかわらず、高市総理はアメリカの制裁に対して「残念だ」と述べるにとどまった。

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