[社説]再発防止 日米が協議 「地位協定」の見直しも

在沖米海兵隊員の男が強盗殺人容疑で逮捕された事件を巡り、高市早苗首相は、再発防止策について日米間で協議を始めているとした。 13日の衆院予算委員会で答弁した。 事件を受け、在沖米軍は7日から48時間の活動を停止。それを終え現在は30日間の「反省期間」として、全隊員を対象に午前0時から5時の間、外出を禁止している。 こうした再発防止策について首相は、「十分ではない」との認識を示した上で「先週から日米間の事務ハイレベル協議を始めている」と述べた。 再発防止策では、過去には日米の捜査機関による合同夜間パトロールや、公務時間外の外出を規制する「リバティー制度」にも取り組んできた。 しかし、米海軍の監察総監が2017年に日本の刑事裁判権が関わる事件について分析した結果、リバティー制度が実施されても重大事件は減っていないと報告していたことが分かった。制度と事件の発生頻度にどのような関係があるのか、さらに検討するよう米軍上層部に勧告していた。 米軍は事件のたびに日本の法律などについての「教育プログラム」も行っているとするが、中身は公開されていない。 今回、強盗殺人事件という極めて重大な事件で米兵が逮捕されたことを考えれば、これまでの対策のどこが問題だったのか、まず効果を検証する。 相次ぐ性犯罪を受けて設置された日米フォーラムも定期的に開くべきだ。■ ■ 米兵事件が繰り返される背景に、日米地位協定に基づく米軍の「特権」と安保優先の構図がある。 公務外の犯罪で容疑者が基地内にいる場合、起訴されるまでの身柄の引き渡しは米側が「好意的配慮を払う」ことが合意されたものの、決定権は米側にある。日本の捜査機関が身柄を拘束できないこともある。 今回、容疑者は基地外にいたため県警が逮捕した。 しかし、日本の国内法や司法権の適用が一部免除・制限される協定下では、なお捜査の壁となっている。不公平な協定は米兵に特権意識を生み犯罪の温床になっているとも指摘される。 県内の米軍関係者の刑法犯検挙数は増加しており、昨年は101件に上った。これは全国での検挙数の7割近くに上る。 特に米軍基地が隣接する地域では多い。基地の集中が、犯罪の集中をも招いている。■ ■ 容疑者の米兵は、沖縄市のゲート通りで酒を飲んだ後、那覇市で事件を起こしたとみられている。再び通りに戻ったところを捜査員に発見された。 こうした事実を重く見た通り会は「安心安全な地域を取り戻したい」一心で、9日から自主的に夜間パトロールを始めた。 日米政府は地域住民の不安を直視すべきだ。 抜本的な対策として地位協定の見直しにも着手しなければならない。

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