北海道のJR釧網(せんもう)線の鉄道用地で木を切り倒し、通信ケーブルに接触させたとして、神奈川県相模原市在住のタクシー運転手の男が電汽車往来危険罪の疑いで逮捕され、10月14日に送検されました。男は9月30日、北海道釧路町の遠矢駅〜釧路湿原駅間で、チェーンソーを使って線路沿いの木を切り倒し、信号の切り替えなどに使われる通信ケーブルに接触させたことが疑われています。男は容疑を認めていて、「天気が良くて『夕陽ノロッコ号』を撮影するラストチャンスだった。どうせならいい写真を撮りたい。少しでも条件を良くしたくてチェーンソーで木を切った」などと供述しているとのことです。JR釧網線では、観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」のラストランが発表された8月ごろから写真愛好家が集まっており、最終運行は10月10日でした。本件のように、電車などの交通の安全に対して具体的な危険を生じさせた場合は「往来危険罪」によって処罰される可能性があります。往来危険罪はあまり聞き慣れない犯罪ですが、多数の利用者の生命や身体に危険をもたらすため、きわめて重く処罰されます。さらに男は、JR北海道に対して損害賠償責任を負う可能性が高いと考えられます。本件で男が負うと考えられる刑事・民事上の責任について、法的な観点から解説します。(弁護士・阿部由羅)