【AFP=時事】ロシアは21日、日本がスパイ活動のために記者を広く利用していると非難した。ロシア当局は先週、北海道新聞の今井裕紀記者を逮捕したと発表した。今井氏はロシア外務省の取材登録を受けていたが、「ロシア領内でスパイ活動を行った」疑いをかけられているという。日本側は容疑を否定しているが、今井氏の解放には至っていない。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は21日、今井氏の事件について記者団に問われ、こうした事件は今回が初めてではなく、「われわれが公表したのが初めてというだけだ」と述べた。ザハロワ氏は「日本から来る記者は、報道活動に従事していない」と主張。ロシア外務省の取材登録を受けた日本人記者は「数十人」いるが、ロシアについて取材・報道することに関心を示していないと非難した。さらに「日本人記者らはロシアの国家機関、特に外務省に接触したり、質問したり、記者説明会などに参加したりしないよう指示されている」と主張した。その上で「では、これほど多くの日本人記者がわが国で何をしているのか」と問い掛け、「彼らは記者という立場と相いれない活動に従事している」と主張した。これに先立ち、日本外務省は21日、中村仁威欧州局長がロシア外務省を訪問し、ボロビヨワ・リュドミラ・ゲオルギエブナ・アジア第3局長と会談したと発表した。中村氏は、現在の日ロ間の諸問題などについて、日本政府の立場に基づき申し入れや主張を行ったという。木原稔官房長官は21日の記者会見で、「政府としては引き続き一刻も早い領事面会の実現、そして何よりも邦人の即時解放、人道的配慮および公正公平な取り扱いをロシア側に強く求め、邦人保護の観点から全力で取り組んでいきます」と述べた。高市早苗首相は、日本がロシアでスパイ活動を行っているというロシア側の主張を否定している。また、今井氏が所属する北海道新聞は、同紙が政府から独立した報道機関であると強調している。今井氏の逮捕を受け、日本政府はロシアのニコライ・ノズドレフ駐日大使を呼び出して抗議したほか、外務省はロシア側に公正かつ公平な扱いを求めている。ロシアは近年、「非友好国」と呼ぶ国々の国民を、西側の情報機関のために活動していたとして相次いで逮捕している。【翻訳編集】 AFPBB News