呉さん(八戸出身)「爆弾」映画化

2022年の第167回直木賞候補作で、国内最大級のミステリーランキング2冠に輝いた呉勝浩さん(43)=青森県八戸市出身、大阪府在住=のベストセラー小説「爆弾」(講談社)が山田裕貴さん、伊藤沙莉さん、染谷将太さん、渡部篤郎さんら豪華キャスト陣で映画化されることになった。今年1月からクランクインしており、3月いっぱいで撮影を終了予定。年内にも公開となる見通しだ。 「爆弾」は、連続爆破事件の容疑者として逮捕された謎の中年男・スズキタゴサクと刑事の緊迫した心理戦や、リアルタイムで進行する予測不能な展開でミステリー界を席巻。24年7月には続編の「法廷占拠 爆弾2」(講談社)が発表され、前代未聞のストーリーが大きな話題を呼んだ。 呉さんは中学生時代、八戸市の映画館で見たデビッド・フィンチャー監督の米映画「セブン」に衝撃を受け、八戸高校卒業後に進学した大阪芸術大学では劇映画を4年間撮り続けるなど創作のルーツに映画があるが、自身の小説が映画化されるのは初めてとなる。 映画化に当たり、企画・プロデューサーの岡田翔太さんは「私が1枚の企画書と共に想像していた世界を既に超えています」とコメント。永井聡監督も「原作の重厚感を表現するため、こんなにも役者たちと話し合い、掘り下げたのは初めて」と自信を見せた。 配役は、スズキと対峙(たいじ)する交渉人・類家を山田さん、爆弾の捜索に奔走する交番勤務の巡査・倖田を伊藤さん、スズキの過去を追う所轄の刑事・等々力を染谷さん、類家の上司・清宮を渡部さんが演じる。 「当て書きかと思うくらい自分が生きるキャラクターの気持ちに寄り添ってしまった」と山田さん。伊藤さんは「読み始めてからその手が止まらず、本当にあっという間に読み進めてしまった」と原作を評した。 スズキについてはキャストと並んで名前が明記されているだけで、詳しい情報は不明。呉さんも映画化について現時点でコメントを出しておらず、今後の展開が注目される。

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