大手繊維メーカー製水処理装置の架空の取引を持ち掛け、静岡県清水町にある会社から現金5000万円をだまし取った疑いで、大手繊維メーカーの元社員や水処理装置の製造・販売会社の元代表取締役の男ら合わせて3人が10月1日、逮捕されました。 偽造有印私文書行使と詐欺の疑いで逮捕されたのは、大手繊維メーカーの元社員で大阪市平野区の男(60)、水処理装置の製造・販売会社の元代表取締役で東京都江東区の男(73)、水処理装置の販売会社の元代表取締役で住所不定、自称・機器販売業の男(58)の3人です。 警察の調べによりますと、3人は2018年9月下旬頃、清水町にある会社から現金をだまし取ろうと、大手繊維メーカー製水処理装置の架空の購入契約を持ち掛けるなどし、現金5000万円をだまし取った疑いが持たれています。 警察によりますと、東京都江東区の男(73)は、被害者に対して大手繊維メーカー製水処理装置の購入をもちかけ、「買った装置は必ず売れる」、「もし売れなかったとしたら、買った時よりも高い額で買い取る」と説明し、さらに大手繊維メーカーが作成したとする、うその連帯保証書を提示して被害者を信用させ、契約に至ったということです。 また、自称・機器販売業の男(58)も被害者に対して、購入後3か月以内に利益を上乗せして水処理装置を買い取ると説明し、同じくうその保証書を提示しました。 大手繊維メーカーの元社員の男(60)は、身分を利用してこの犯行に加担し、保証書を偽造した疑いがあり、大手繊維メーカーは既にこの男を2018年11月22日付で懲戒解雇処分としています。 被害者は当時、寝具の卸会社でしたが、他事業への新規参入を考えているなかで、大手繊維メーカーと関係を構築したかったことから、その取引に応じということです。 しかし、実際には水処理装置の取引は架空で、被害者に対して製品の納入はなく、東京都江東区の男(73)の会社に払った5000万円も戻ってこなかったということで、2022年4月に被害者が警察に相談し、事件が発覚しました。 警察は3人が容疑を認めているかどうか明らかにしていませんが、逮捕されたは3人は業務を通じて知り合ったということです。 警察はほかにも余罪があるものとみて、引き続き捜査を進めています。