三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の資産が盗まれた事件で、顧客の貸金庫から金塊2200万円相当を盗んだとして、警視庁捜査2課は4日、窃盗容疑で、元行員今村由香理容疑者（46）を再逮捕した。 捜査関係者への取材で分かった。容疑を認めているという。 窃盗の被害に遭った顧客は少なくとも約60人、貸金庫から盗んだ現金や金塊は総額約17億円相当に上るとみられる。同課は少なくとも10億円の損失を出した外国為替証拠金取引（FX取引）や競馬に流用していたとみて全容解明を進める。 捜査関係者によると、今村容疑者は同行練馬支店に勤務時の2024年3月中旬ごろ、同支店の80代の男性顧客の貸金庫から2回にわたり、金塊計約2キロ（約2200万円相当）を盗んだ疑いが持たれている。 今村容疑者は盗んだ金塊を即日、別の顧客から盗んだとみられる金塊1キロと合わせて都内二つの質屋に入れ、計2500万円を得ていた。現金を盗んだ別の顧客の貸金庫への補填（ほてん）に回したとみられ、同課はFXなどで生じた損失を穴埋めするため、窃盗を繰り返していたとみて調べている。 今村容疑者は昨年9月下旬、練馬支店の貸金庫から顧客2人の金塊計約20キロ（約2億6000万円相当）を盗んだとして、窃盗容疑で1月14日に逮捕された。