ICC所長、米制裁を非難 約80カ国が共同声明

【ブリュッセル共同】トランプ米大統領が国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)職員らに制裁を科す大統領令に署名したことを受け、ICCの赤根智子所長は7日「裁判所の独立性と公平性を損ない、罪のない犠牲者から正義と希望を奪うことを求めるものだ。断固拒否する」と非難する声明を発表した。 「世界の全ての国々にICCを擁護するために団結することを呼びかける」とも訴えた。これに先立ち、フランスやドイツ、英国など約80カ国は7日「国際的な法の支配を脅かすものだ」と非難する共同声明を出した。 大統領令は、米国やイスラエルなどの捜査に関わったICC職員やその家族の米国内の資産を凍結し、米国への入国査証(ビザ)の発給を制限する内容。こうした捜査活動に資金や物的、技術的支援を提供した者についても制裁の対象とするなどとしている。 今後、米国の圧力が強まり、金融やIT分野の企業がICCに対するサービスの提供を拒否する事態となれば、証拠収集を含む広範囲の業務に影響が出るとみられる。欧州のメディアは、ICCの運営に「壊滅的な影響」を与える恐れがあるとの見方を伝えた。

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