<独自>ハナ信組支店元次長を捜査 貸金庫窃盗容疑、被害数億円か 神奈川県警

ハナ信用組合横浜支店の貸金庫に預けられていた顧客の資産を盗んだ疑いが強まったとして、神奈川県警が同支店元次長の男性(49)を窃盗容疑で捜査していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。被害額は計数億円に上るとみられ、県警は近く、強制捜査に乗り出す方針を固めた。 捜査関係者によると、元次長は平成30年ごろから数年間にわたり、貸金庫の鍵を持ち出して複製するなどし、顧客が貸金庫に預けていた現金1億円以上を盗んだ疑いが持たれている。 ハナ信用組合は、経営破綻した朝銀関東、朝銀東京など5信組の受け皿として平成14年に設立された。令和5年10月、内部調査で貸金庫から現金が盗まれていることが発覚。県警に告訴していた。ハナ信用組合は昨年2月、内容を公表するとともに、2月15日付で元次長を懲戒解雇処分にしたと明らかにした。 ハナ信用組合は産経新聞の取材に対し、「発表以上のことは答えられない」としている。 金融機関の貸金庫を巡っては、銀行員による窃盗が相次いで発覚している。三菱UFJ銀行では昨年10月、貸金庫で預かった金品の窃盗被害が発覚。警視庁は今年1月、窃盗の疑いで元行員の40代の女を逮捕した。被害者は60人を超え、被害総額は約17億円相当に上るとみられる。 また、みずほ銀行は今年2月、広尾支店に勤務していた当時30代の元行員の女性が平成28年から令和元年にかけ、顧客2人の貸金庫から計6600万円を盗んでいたと発表した。金融庁は貸金庫サービスの在り方について検討を進めるとしている。

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