「すずめの涙」「ベサメムーチョ」などのヒットで知られる韓国人歌手、桂銀淑(ケイ・ウンスク、63)が18年ぶりに日本で活動を再開させることが9日、分かった。4月26、27日に東京・西新宿のヒルトン東京でディナーショーを開催。2007年に覚醒剤取締法違反で有罪になり、帰国して以来の日本でのステージになる。日韓国交正常化60周年でもあり、桂は関係者に「日韓の架け橋となって恩返しがしたい。東北の被災地にも慰問したい」と熱く訴えている。 1980~90年代、ショートカットが似合う目鼻立ちのはっきりとした美貌とハスキーボイスを武器に日本で一世風靡した桂銀淑が帰ってくる。 復活の舞台は400人を収容するヒルトン東京・菊の間。4月26日夜公演と27日昼夜2公演で計1200人を動員する。 関係者によると「酔いどれて」「すずめの涙」など日本でのヒット曲をほぼ網羅して披露。さらには、韓国アイドル歌手時代の楽曲や日本人歌手の名曲カバーなどバラエティーに富んだ華やかなステージになる。 サンケイスポーツなどにコメントを寄せた桂は「たくさんの皆さまに会いたくて、心が今もうるうるしています」と日本のファンとの再会を心待ちにする。 桂は学生時代に韓国で芸能界デビューし、八代亜紀さんの「舟唄」、森昌子さんの「哀しみ本線日本海」などで知られる作曲家、浜圭介氏(78)に見いだされて84年に来日。演歌「大阪暮色」で日本デビューし、「すずめの涙」「夢おんな」などヒット曲を連発した。NHK紅白歌合戦には88年から94年まで7年連続出場し、韓国出身歌手の最多記録を持つ。 ただ、その後は離婚や借金裁判などトラブルに見舞われ、2007年に覚醒剤取締役法違反(所持)で有罪となり、翌08年に国外退去処分で失意のうちに帰国した。 韓国でも15年に覚醒剤使用で2度目の逮捕となり、実刑判決に。出所後は薬物を断ち切り、キリスト教の洗礼を受けて毎週日曜日、ソウル市内の教会へ通い懺悔の日々を送っているという。韓国での芸能活動では、来韓する日本人を相手にファンミーティングやカジノホテルでディナーショーなどを開催してきた。 契機は昨年6月に出演したMBNの人気歌番組「韓日歌王戦」。日本語の持ち曲を披露して日韓両国で話題になり、日本での活動再開が決まった。桂は4月のディナーショーに懸けており、「いつまでも歌で頑張って、頑張り続けていきたい」と日本での継続した活動を熱望している。