フィリピンのドゥテルテ前大統領をICCが逮捕、「麻薬戦争」中の人道に対する罪で

ドゥテルテ前大統領「私が犯した罪とは何か」 フィリピンのドゥテルテ前大統領が11日、滞在先の香港からマニラの空港に到着したところを逮捕された。同国政府によると、逮捕は国際刑事裁判所(ICC)の要請によるものだという。 ドゥテルテ前政権の「麻薬戦争」と呼ばれる強力な薬物犯罪対策実施中には数千人が超法規的に殺害されたとみられ、捜査上で重要な一歩となる。 「私が今ここにいる法的な根拠を教えてほしい」 娘ベロニカさんがインスタグラムに投稿した動画でドゥテルテ氏は逮捕に疑問を呈した。 南部ダバオ市長を務めていたドゥテルテ氏は犯罪撲滅に尽力し、2016年、「麻薬戦争」を公約に掲げ大統領に就任した。 ロイターは2016年、暴動発生当時の生々しい映像を捉えていた。 警察は、薬物犯罪対策で容疑者6200人が殺害されたと発表しているが、実際の死者ははるかに多いと活動家らは主張する。警察は殺害への関与を否定。実態が隠蔽されているとする人権団体らの主張を否定している。 ドゥテルテ氏は薬物犯罪への取り締まりをたびたび擁護。容疑者の殺害を警察に認めたのは自衛の際だけだとして、疑惑を否定している ドゥテルテ氏の支持者らは11日、拘留されていた空軍基地周辺に集結。ロイターは支持者の一人に話を聞いた。 「ドゥテルテ氏は高齢で、こうした扱いを受けるべきではない。彼の行いはフィリピンのためだ。前政権では平和だった。犯罪が少なく、秩序もあった。このような扱いを受けるべきではない」 ドゥテルテ氏の盟友で元法律顧問サルバドール・パネロ氏も、逮捕は違法だと主張。警察は空港で弁護士との面会を許可しなかったと述べた。 人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは「(逮捕は)説明責任に向けた重要な一歩」でドゥテルテ氏の身柄を速やかにICCに引き渡すべきだと主張した。

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