【第48回日本アカデミー賞】最優秀監督賞は「正体」藤井道人監督! 「インディーズ・スピリッツで映画を作り続けたい」

第48回日本アカデミー賞の授賞式が3月14日、東京・グランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、「正体」の藤井道人監督が最優秀監督賞に輝いた。 本作は、藤井監督が、染井為人氏の同名ベストセラー小説を映画化したサスペンスドラマ。日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が脱走した。鏑木を追う刑事・又貫征吾(山田孝之)は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。しかし彼らが語る鏑木は、それぞれが全く別人のような人物像だった。さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになり……。 第43回で優秀監督賞、優秀脚本賞(ともに「新聞記者」)を獲得しており、最優秀監督賞は初受賞となった藤井監督。受賞前、「5年前に『新聞記者』という映画で、この場に立たせていただきました。あの作品のときは、3年前に急逝した河村光庸プロデューサーに連れてきていただいた新人の気分でした」と振り返る。「そこから5年経って、やっぱり自分の仲間たちとまたこの場に立ちたいという思いで勉強し直しました。この場に立てたのは、流星をはじめ、スタッフの仲間たち、プロデュースの皆様、俳優の皆様、映画を見てくれている皆様のおかげだと思っております」と感謝し、「これからもおごることなく、日々、映画道を精進したいと思います」と決意を語っていた。 受賞が発表され、ステージに上がった藤井監督は「映画人の先輩、仲間たちのコメントを見ていて、素敵だなと思いながら、皆が『楽しい』と言っていたことが、自分の心に刺さりました。映画の現場は楽しくなきゃいけないし、その場を作るのは自分の責任だなと強く思いました。この賞はすごく嬉しいです。ただ、この賞をいただけたのは、本当に仲間たちのおかげですし、これからもインディーズ・スピリッツで映画を作り続けたいですし、感謝の気持ちを忘れず、楽しい映画業界を作れるように頑張ります」と思いの丈を述べる。席に戻った藤井監督に向けて、主演の横浜をはじめ、森本慎太郎、山田杏奈が満面の笑みで拍手し、受賞を称えていた。 なお、優秀監督賞は、佐藤信介監督(「キングダム 大将軍の帰還」)、塚原あゆ子監督(「ラストマイル」)、三宅唱監督(「夜明けのすべて」)、安田淳一監督(「侍タイムスリッパー」)が受賞した。

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