全米のテスラ販売店で「放火や銃撃」多発、当局は「徹底抗戦」の構え

トランプ米大統領は3月11日、全米各地で多発する電気自動車(EV)メーカー、テスラへの抗議行動に加わって破壊行為を行う者は、国内テロリストと見なされるべきだと発言した。これを受け、パム・ボンディ司法長官は14日、テスラの販売店で発生中の破壊行為について調査を開始すると発表した。 ここではまず、今年に入り発生したテスラに対する抗議行動や破壊行為を時系列順に紹介する。 3月13日 オレゴン州ティガードのテスラ販売店に、十数発の銃弾が打ち込まれ、車両や店舗の窓が破壊された。現地警察によると、この店舗は数日前にも同様の被害に遭っていた。 3月12日 英国の環境団体、ジャスト・ストップ・オイルのメンバーが、ロンドンにあるテスラの店舗で展示されていた人型ロボット「オプティマス」にオレンジ色の液体をかけて抗議した。同団体は声明で、イーロン・マスクが数十万人もの人々を解雇し、気候科学を危険にさらし、脆弱な人々から医療を奪っていると主張した。 3月11日 マサチューセッツ州デダムのテスラのディーラーで3台の車両が破壊され、いずれも4つの車輪が損傷した。さらに、2台の車がスプレーで落書きされた。 3月9日 シアトルで4台のサイバートラックが火災で損傷。出火の原因は不明で、現在調査中と消防当局がAP通信に語った。 3月7日 サウスカロライナ州ノースチャールストンの駐車場で、男が火炎瓶を使用して3つのテスラの充電ステーションに放火した。その際、男の服にも火がついた。現地メディアによると、男は「くたばれトランプ、ウクライナ万歳」と書かれたTシャツを着ていた。 3月6日 オレゴン州ティガードのテスラ販売店に、少なくとも7発の銃弾が打ち込まれ、3台の車両と店舗の窓が破壊された。 3月3日 マサチューセッツ州リトルトンのテスラの充電ステーション7カ所が、火災で大きな被害を受けた。警察は放火の可能性が高いとみて捜査を進めている。 3月2日 メリーランド州オーウィングスミルズのテスラ販売店で「ノー・マスク」と書かれた落書きが見つかった。警察によると、その落書きには鉤十字に似たマークが添えられていた。 2月24日 コロラド州ラブランドのテスラのディーラーで複数回にわたる破壊行為を行ったとして、同州在住の42歳の男が逮捕され起訴された。この男は、展示されていたサイバートラックに火炎瓶を投げつけて炎上させたほか、ディーラーの窓に「ナチ」などのテスラを侮辱する言葉をスプレーでペイントしていた。検察によると、容疑者の車からは、ガソリンの入った容器などが発見された。 2月19日 オレゴン州セーラムのテスラのディーラーの窓がARスタイルのライフルを持った男に銃撃された。警察によるとこの男は、1月にも同じ店舗で破壊行為を行っており、武器関連の罪で起訴されていた。 ■司法当局は「徹底抗戦」の構え ボンディ司法長官は、14日のFOXビジネスのインタビューで、テスラへの抗議行動に対する調査を開始し、加害者らを起訴し、このような活動に資金を提供する団体を突き止めると宣言した。「テスラに手を出す者やディーラーに侵入する者は、覚悟しておくべきだ。我々は徹底的に追及する」と、彼女は警告した。また、既に逮捕されている火炎瓶を投げた容疑者が「20年の禁固刑に直面している」と強調した。 トランプは、11日にホワイトハウスの外にテスラ車を並べて、マスクと共に「モデルS」に乗り込むパフォーマンスを報道陣に見せつけた。そのイベントの記者会見で、右派系メディアReal America’s Voice(リアル・アメリカズ・ボイス)の記者であるブライアン・グレンは、テスラへの抗議活動の参加者を国内テロリストと見なすべきだという意見もあるが、どう思うかとトランプに質問した。

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