「車内で爆発みたいなのが…」地下鉄サリン事件新たな無線音声入手…教祖の逮捕直後の新たな写真も【地下鉄サリン事件から30年】

14人が死亡、6300人以上が負傷したオウム真理教による地下鉄サリン事件から、20日で30年です。 FNNは、教祖の松本智津夫死刑囚の新たな写真を入手。 教団施設の隠し部屋で発見直後の姿を捉えたものとみられています。 あの日から30年を迎えた今もまだ、傷跡が残る地下鉄サリン事件。 潜伏していた首謀者が発見された姿を最も初期に撮影したとみられる写真を、FNNが独自に入手しました。 さらに、事件発生当時、地下鉄日比谷線の職員らが交わしていた無線音声の全容が初めて明らかになりました。 1995年3月20日、朝の出勤時間帯。 営団地下鉄(現・東京メトロ)の複数の路線で、走行中の車内に猛毒のサリンがまかれ、死者14人、重軽傷者は6300人以上に及びました。 事件発生直後、最前線で“見えない猛毒”と向き合わざるを得なかった地下鉄の職員。 今回、独自に入手した無線の音声から、当時の混乱した様子が明らかになりました。 日比谷線 広尾駅と指令所のやりとり(実際の無線音声)駅員: こちら広尾の駅務助役の者なんですけど、第8車両のナンバー3ドア付近なんですけど、ちょっとなんか、透明の液かなんかで、ちょっとね「かなり臭いがする」って今お客さんから言われたんですよ。 (日比谷線 築地駅と指令所のやりとり)駅員: 急病人がかなりいるんです。 指令所: 急病人? 駅員: これから救急車要請します。 複数の報告を受けた指令所は、駅員らに“爆発”という言葉で注意を促しました。 指令所から日比谷線駅員らへの一斉放送: 先ほどの全線発車待ちの理由は、築地駅、A線の築地駅20Sで、車内で何かあの、爆発みたいなのが起きまして。だいぶ負傷者が出ているそうです。未確認ですが…。 この地下鉄サリン事件の首謀者は、当時、オウム真理教の教祖だった“麻原彰晃”こと松本智津夫元死刑囚。 オウム信者の親族が拉致された事件などで教団の関与が疑われ、警察の強制捜査がささやかれる中、松本元死刑囚は捜査のかく乱を狙い、地下鉄サリン事件を起こしたとされています。 そして、その年の5月。 “サティアン”と呼ばれる山梨県の教団施設に潜伏していた松本元死刑囚を警視庁の捜査員が発見。 その様子を最も初期に撮影したとみられるのが、FNNが今回入手した写真です。 前髪を垂らした頭には、ケーブルのついたヘッドギアを装着。 さらに傍らには、かごが置いてあるのが分かります。 関係者によると、かごの中にはバナナやメロン、さらには約1000万円の現金が入っていたといいます。 関係者の証言: 事前に麻原は目が見えないという情報があったので、麻原に対し“目は見えるか?”と話しかけた。麻原は“大丈夫です、多少見えます”と答えた。 事件から30年。 松本元死刑囚がすでにこの世を去った今も、信者の活動は一部で続いています。 公安調査庁が撮影した、オウム真理教の後継団体「アレフ」の内部には、元死刑囚が唱えた「マントラ」と呼ばれる言葉を電気信号化して作られたとする“甘露水”が入ったタンクが置かれていました。 新たに加わった信者は、事件を知らない若者世代が中心で、公安調査庁は警戒を強めています。

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