東京都練馬区の神社境内で1月、建設会社従業員の成海貴司さん(50)が暴行を受け死亡した事件で、東京地検は25日、同社元社長の有元史明(64)、元従業員の荒井雄司(60)両被告=起訴=の罪名を、傷害罪から裁判員裁判の対象となる傷害致死罪に変更するよう東京地裁に請求した。 同地検によると、成海さんは1月19日未明に2人から暴行を受けたとされ、2日後に死亡した。病院に搬送される際、警察官に「階段から落ちた」と説明したことなどから警視庁は傷害容疑で2人を逮捕したが、その後、複数の医師への意見聴取などを重ね、死因は循環血液量減少性ショックと特定。同地検は暴行と死亡には因果関係があると判断した。 捜査関係者によると、成海さんは約20年前から有元被告と仕事をしていたとみられる。ミスを理由に暴行を受けたり、会社の損失を補填(ほてん)するために給料を減らされたりしており、周囲に「嫌がらせを受けている」などと話していた。