[エルサレム 31日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は31日、自身の汚職疑惑を巡る裁判を途中退席し、側近らがカタール側から資金提供を受けたとされる「カタールゲート」と呼ばれる事件の捜査で証言した。公共放送KANが報じた。 イスラエル警察は同日、カタールゲートを巡る捜査でネタニヤフ氏の側近2人を逮捕したが、それ以上詳しい情報は提供しなかった。首相府の報道官はコメント要請に応じなかった。ネタニヤフ氏に近い筋はKANの報道を確認した。 ネタニヤフ氏はこれまでカタールゲートを自身に反対する運動に動機付けられた「フェイクニュース」だとして否定してきた。 KANと同国紙ハーレツによると、逮捕された側近2人はカタールの海外でのイメージを向上する活動を指揮したり活動に関与したりした疑い。2人は、不正は行っていないと主張している。 またネタニヤフ氏は対内情報機関シンベトのバー長官を解任すると表明していたが、31日にはバー氏の後任に元海軍司令官のシャルビット氏を充てると発表した。ただ最高裁判所は、バー氏の解任に対する異議申し立てを受けた審理が開かれるまで解任を一時的に差し止める仮処分を出している。 バー氏はネタニヤフ氏の側近とカタールとの結び付きを追及する捜査を指揮してきた。このためイスラエル国内では、同氏の解任は捜査の妨害目的だとの批判が噴出し、テルアビブやエルサレムで抗議活動が起きている。