孫を装い現金をだまし取ろうとしたとして、県警捜査2課などは17日、詐欺未遂の疑いで埼玉県川口市末広の無職、内田洋輔容疑者(22)、神奈川県平塚市河内の無職、高橋拡輝容疑者(20)と同所の無職、甲斐秀也容疑者(20)、20代の男の4容疑者を逮捕したと発表した。
4人は詐欺の電話をする「かけ子」役で、かけ子を県警単独で逮捕するのは初。それぞれの役割や関係性は明らかになっていない。犯行に使用された携帯電話19台、だますための「セリフ」が明記されている手書きの犯行マニュアル10点と都内や横浜市など首都圏を中心に約3千人分の電話番号などが載った住所録約100枚も押収した。
調べに対し、高橋容疑者と甲斐容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、他の2人は黙秘している。
逮捕容疑は、4人が仲間と共謀し、今月16日午後0時半ごろから約1時間、千葉県柏市のラブホテル客室から埼玉県川口市の被害女性(84)宅に孫を装って電話し、かばんを喫茶店内でなくしたと告げ、「今日中にお金が必要。部長と一緒に取りに行くよ」などの嘘を言って現金をだまし取ろうとしたとしている。
内田容疑者は昨年8月23日、高崎市内で現金200万円をだまし取ろうとした疑いで、「受け子」役の千葉県市川市の男子高校生(16)と同所の男子中学生(15)が逮捕された事件に関与した疑いでも逮捕された。
同課は内田容疑者が少年2人のリクルーター兼指示役とみて捜査を進めていた。内田容疑者は川口市の自宅からバスや電車を乗り継ぎ、神奈川県内で3容疑者と合流後、同ホテルまで向かったという。