外務省の職員や警察官をかたり「口座が犯罪に悪用されている」というウソの電話をかけ、福岡市の77歳の女性から現金1500万円をだまし取ったとして、千葉県の27歳の男が逮捕されました。「闇バイトに応募した」と話しているということです。 詐欺と組織犯罪処罰法違反の疑いで8日、逮捕されたのは、千葉県市川市の無職、山本育椰容疑者(27)です。 警察によりますと、山本容疑者は別の人物らと共謀し、去年10月から11月にかけて、福岡市南区の77歳の女性の家に外務省の職員や警察官をかたり「あなたの口座が犯罪に悪用されている」などとウソの電話をかけ、東京都豊島区のアパートの1室あてに現金1500万円を入れた段ボール箱を送らせ、だまし取った疑いです。 山本容疑者らは電話やSNSで「詐欺に加担した疑いがあるので、銀行口座の預金を全て引き出し、 捜査のため、宅配便で指定する場所に送付する必要がある」などと伝え、SNSで警察手帳を見せたことなどから、女性は信じてしまったということです。 現金の送り先のアパートの部屋は空室でしたが、山本容疑者は住人を装い、部屋の前で荷物を受け取っていました。 警察の調べに対し「闇バイトに応募して加担したことは間違いありません」と話し、容疑を認めているということです。山本容疑者は同様の手口の別の事件で、他県の警察にすでに逮捕されていました。 福岡市の女性は今回の被害も含め4回にわたり、合わせて3400万円を同様の手口でだまし取られていました。そのうち3回は同じアパートに送らせる手口だったということです。 警察は、山本容疑者がほかの事件に関わった疑いもあるとみて調べています。