カンボジアを拠点にした特殊詐欺グループのトップとみられる元「関東連合」メンバーの男が、タイから日本に移送され、移送中の飛行機内で逮捕されました。 8日午後、タイ・バンコクから日本に移送される飛行機内で逮捕されたのは、元「関東連合」メンバーの冨沢哲也こと山口哲哉容疑者(46)です。 捜査関係者によりますと、山口容疑者は2022年9月、大阪府に住む高齢女性に「医療費に対する還付金がある」などとウソの電話をし、現金30万円ほどをだまし取った疑いがもたれています。 山口容疑者は、拠点の運営方針などを決める特殊詐欺グループのトップとみられ、この事件とは別の特殊詐欺グループの拠点に弁当を配達する日本料理店も経営していました。 タイ警察によりますと、山口容疑者は自身で開設したとみられる美術品を取引するサイトで、美術品の売買を通じて特殊詐欺でだまし取った金を「マネーロンダリング(=資金洗浄)」をしていたとみられています。 山口容疑者は8日、タイの入管施設から空港に移送される際、記者から特殊詐欺グループの幹部かどうかを問われると「関係していなくはないが幹部じゃない、弁当を出しただけ」などと答えました。 警察は今後、山口容疑者の身柄を埼玉県内の警察署へと移送し、本格的な取り調べを行う方針です。 東南アジアの特殊詐欺グループをめぐっては、これまでに日本人の男ら30人以上が逮捕されるなど、カンボジアやベトナムなどで複数のグループがすでに摘発されてきました。 これらの特殊詐欺グループによる被害総額は少なくとも数十億円にのぼるとみられ、警察は山口容疑者がこれらの特殊詐欺グループと関連しているとみて捜査しています。