愛媛県警、事件発生を1週間公表せず 強盗か窃盗か見極めできず

愛媛県警が、発生した事件が「強盗」か「窃盗」か見極めを付けられず、強盗事件発生の報道発表が1週間、遅れていたことが分かった。容疑者は事件発生から逃亡を続けており、県警は「県民の安心安全を考えると、ただちに公表すべきだった」と反省している。 県警によると、事件は3月29日午前0時ごろに新居浜市で発生。県警は4月5日、同県四国中央市中曽根町の会社員、森智輝容疑者(24)を強盗などの容疑で逮捕した。逮捕容疑は、新居浜市の70代の女性宅に侵入し、就寝中だった女性の頭に毛布を掛けて押さえつけ、財布から約7万円を奪ったとしている。 同県警では通常、強盗事件は覚知後速やかに報道機関に公表するが、今回、事件が公表されたのは森容疑者が逮捕された4月5日だった。公表が遅れた原因について、県警は「発生当初は、窃盗事件か強盗事件かの見極めが付けられなかった」と説明。事件後、新居浜署と県警捜査1課が協議して窃盗事件と判断し、公表の必要がないと決めたが、逮捕後の容疑者の供述などから強盗事件と判断し、一転公表したという。県警は窃盗事件の場合、被害額が少額なケースなどでは報道発表をしていない。 この事件を巡っては、報道機関への広報対応を担う県警広報県民課にも共有されておらず、担当者は容疑者の逮捕時に初めて事件を知り驚いたという。県警は「被疑者が犯行後に逃亡しており、県民に危害が及ぶ可能性もあった」とし、「明らかな判断ミスだった。今後は組織内の連絡を徹底し、積極的に公表したい」と陳謝した。【広瀬晃子、田中祐子】

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