「頂き女子」の次は「一撃男子」…ミナミのホスト逮捕で浮上した驚きの違法請求マニュアル

「一撃講習」。大阪府警に摘発されたあるホストのパソコンに、そんなファイルが保存されていた。名前から連想されるような迷惑客の撃退法ではない。ナンバーワンにのぼり詰めるためのハウツーとも違う。「一撃」とは一見客の接客法。たった1回の来店で「最大限の売り上げを作る方法」をうたっているが、なんのことはない、中身は違法行為のオンパレードだ。こんなマニュアルを渡されて、実践するホストがいるはずが…。 ■常連客でなくても… 社会問題になっている悪質ホストの典型的なやり口は、客に多額の売掛金(ツケ)を背負わせ、性風俗店などで働かせて回収するもの。だが、これは足しげく通ってもらうのが前提で、そもそも一見客には通用しない。 「一撃講習」は、本来もうけにならないはずのそんな一見客から、いかに大金をせしめるかについて書いている。ほぼ一日で完結するそれらの行為を総称して「一撃」と読んでいたとみられる。 このマニュアルを持っていたのは藤岡駿介容疑者(26)。大阪ミナミの雑居ビルに店を構えるホストクラブ「Aria(アリア)」の代表代行を務めていた。 ■4つの条件 《一、「彼女」であること 一、「昼職」であること 一、20歳以上であること 一、ホストについて知識がないこと》 (一撃講習より) 事件の発端は昨年5月ごろ。兵庫県内の20代女性がマッチングアプリで知り合ったのが、アリアのホスト(当時)、藤咲湧斗容疑者(24)だった。 そこから2人はデートを重ね、女性は藤咲容疑者の「彼女」であると思い込んだ。相手の職業がホストであることは知っていたが、そもそも店で出会ったわけではない。そんななれ初めも、女性の警戒感を鈍らせたかもしれない。 6月中旬、2人で居酒屋で会食をしていたときのこと。藤咲容疑者が突然こう切り出した。 「店のミーティングに遅刻する。同伴してくれれば、遅刻の罰金は免れる。初回は3千~4千円やから」 やむなく女性は藤咲容疑者に伴われ、アリアを客として訪れた。

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