障害者狙いぼったくり、弱視の人が伝票が見にくいことなどを利用して高額請求か…被害者「恨みしかない」 “トクリュウ”か 計8000万円以上得た可能性

障害がある男性を狙ってぼったくり営業を行っていたとみられる男女3人が警視庁に逮捕されました。弱視の人が伝票が見えにくいことなどを利用して高額の請求をするなど卑劣な手口を繰り返していたとみられます。 白杖を持つ男性。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「飲み放題だと思って頼んだので、100杯分くらい多分飲んで」 障害がある人と障害に理解がある人を繋ぐマッチングアプリで知り合った女性に誘い出されると。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「一晩で合計68~69万円くらいになった」 バーで高額な請求をされる“ぼったくり被害”に遭ったのです。 記者 「警視庁の捜査員に連れられて菅原容疑者が自宅から出てきました」 逮捕されたのは東京・渋谷区のバー「クイーン」従業員・菅原梨那容疑者(24)。ほかに従業員の男2人も逮捕されていて、3人は今年1月、マッチングアプリで知り合った男性にバーの従業員だと告げずに渋谷のバーに誘導し、飲食代金として現金や金のネックレスなどおよそ190万円分を強引に取り立てた疑いがもたれています。 さらに菅原容疑者らは障害者を装うなどして障害がある人に近づき、“ぼったくり行為”を繰り返していたといいます。 都内に住む20代の男性も被害者のひとり。視覚障害者2級の手帳を持ち、生まれつき「弱視」です。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「何となくぼやっと見える感じで、日常生活においては携帯・スマホを使って文字を大きくして見てます」 男性が菅原容疑者と初めて知り合ったのは今年2月。きっかけは、障害がある人と障害に理解がある人を繋ぐマッチングアプリでした。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「障害のあることに理解のある方と出会えたらいいなと思ってアプリを使いました。(菅原容疑者が)視覚障害がある僕を選んだ理由は、直感で見た目で優しそうだなと思いましたとかって」 菅原容疑者 「本名りさって言います~」「今日楽しみにしてます~」 菅原容疑者らは「りさ」を名乗り、男性に連絡。待ち合わせ場所の渋谷駅で出会って早々に“ある提案”をしてきたのです。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「行きたいお店があるから、ちょっとそこ行ってもいいですかって言われて」 連れて行かれたのはバー。2時間で5000円の飲み放題でしたが。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「女性の方からゲームをしようっていう話になって。トランプをめくってショットグラスで飲む。注文したうえでは100杯分くらい」 ショットの料金は飲み放題に含まれず、請求額は2人で40万円。さらに… “ぼったくり”被害に遭った男性 「結局コンビニに連れていかれて、『女性が持ってたカードは午後9時すぎているから使えない』と言って、僕が『払ってくれ』と言われて。20万20万で分けて払わされて、『すいません、まだちょっと足りないので』と言われて、プラス14万払わされて。その後、しばらく歩いていたんですけど、後ろから店員が追いかけてきて『すいません、やっぱりまだ足りないから』とプラス14万(払った)」 最終的に男性は69万円を支払ったといいます。男性が最後にやりとりしたメッセージには。 菅原容疑者 「色々迷惑かけちゃってごめんなさい」「次会う日に必ず持って行きます」 この後、菅原容疑者と連絡が取れなくなったということです。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「やっぱり(弱視で)見えづらい部分もあるし、伝票もやっぱり僕が見ずに女性が確認していたので、(僕に)個別に見せなくて騙せるだろうみたいな」 弱視であることを利用した手口。また警視庁によると、菅原容疑者らはすぐに支払えない客に対しては別の手口で金を取り立てていたといいます。 店員の男 「店のオーナーが話がある」 タクシーに客を乗せ、別の場所に連行。そこにオーナー役の男が現れて支払いを要求し、「消費者金融で借りて払う」か「裁判を起こす」か、提案します。 「消費者金融で借りて払う」ことを客に選ばせると、都内のサウナに連行。消費者金融と契約が完了し、現金を引き出せるようになるまで監禁状態にしていたということです。 菅原容疑者らは、こうした手口などで去年9月からの8か月間でこれまで54人からあわせて8000万円以上得ていたとみられています。 “ぼったくり”被害に遭った男性 「やっぱり騙しやすい相手を選んでやっているんだな。恨みしかないですね。恨みというか、怒りというか」 3人はおおむね容疑を認めているということで、警視庁は背後に別の指示役がいる匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」による犯行とみて調べています。

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