ミャンマー中部地震でタイの高層ビル倒壊、建設関係者17人に逮捕状

今年3月に発生した、ミャンマー中部を震源地にしたマグニチュード7.7の地震で、隣国タイ・バンコクで建設中の高層ビルが倒壊した事故をめぐり、タイの裁判所は15日、ビル建設の関係者17人に逮捕状を出した。 ミャンマー中部での大地震は3月28日午後に発生。強い揺れは隣国タイや中国でも感じられ、タイ・バンコクでは建設中のビルが崩壊した。 倒壊したのは、青いガラスと鉄骨でできた30階建てのタイ会計検査院のビルだった。 当局によると、ビルのがれきの中からこれまでに89人の遺体が収容されたが、7人が行方不明のままだという。 地元メディアは、倒壊の原因を調査する警察の話として、ビルの設計や建設、建築監督に携わった人物に逮捕状が出されたと報じた。 警察は、逮捕状が発行された17人のうち1人について、実業家で、建築会社「イタリアン・タイ・デベロップメント」のプレムチャイ・カルナスタ元社長だと発表した。そのほかの身元は明らかにしていない。 タイ・メディアは15日、捜査当局がビルのエレベーターシャフト(エレベーターの籠が昇降する竪穴)に構造上の欠陥があるのを見つけたと報じた。タイ当局はこれまでのところ、倒壊原因の調査結果を公表していない。 地震発生時をとらえた動画には、バンコク市内の複数の高層ビルが揺れ、屋上プールの水があふれて道路に落下する様子が映っている。 それでもバンコクでは、会計検査院ビル以外の建物はほとんど無事だった。崩落したビルは、総工費20億タイバーツ(約88億円)で、観光スポットとして人気のチャトゥチャック市場の向かいで3年前に建設が始まった。 倒壊時には400人以上の作業員がいた。ドローン(無人機)や探知犬、クレーン、掘削機が投入され、救助活動が行われた。 この地震ではこれまでに3000人以上の死者と、4500人以上の負傷者が確認されている。タイや中国南西部など、周辺地域でも揺れが感じられた。 (英語記事 Seventeen arrest warrants issued over Bangkok skyscraper collapse)

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