全国のニュースでもお伝えしていますように埼玉県三郷市で下校中の小学生が車にひき逃げされ4人がケガをした事件で、18日逮捕された男は飲酒運転だったとみられています。県内でも飲酒運転が後を絶ちません。そうしたなか、飲酒運転の恐ろしさを体験する講習会が鹿児島市の自動車学校で開かれました。 これは5月10日の深夜、霧島市の国道10号で起きた事故の映像です。女性は給油をしようと軽ワゴン車でガソリンスタンドへ。すると突然… ドライブレコーダーに映る車内が大きく揺れます。この衝撃、飲酒運転の車に追突されたことによるものです。追突の弾みで車は対向車線へ目の前にはトラックが。トラックとぶつかった衝撃の影響か、映像はここで途切れます。女性は全身にあざが残り、右足などを36針縫うケガをしました。 (追突された女性) 「本当に怒りしかない。全て奪われたような。飲酒運転は絶対に許されるべきことではない」 酒を飲んでハンドルを握るとどれほど危険なのか? 18日、鹿児島市の玉里自動車学校で鹿児島西警察署が飲酒運転の体験講習会を開きました。体験したのは運転歴30年、運転に自信がある岡本善久記者。 1時間で飲んだのは、350mlの缶ビールや酎ハイ、計7本。約2.5リットルです。 アルコールチェッカーで呼気検査をしたところ、酒気帯び運転の基準値の3倍以上にあたる呼気1リットル当たり0.5ミリグラムのアルコールが検出されました。 かなり酔った様子で、呂律も回っていない岡本記者。玉里自動車学校の山本秀之教官に同乗してもらい、ハンドルを握ります。 アルコールで気分が高揚した様子で出発。すると… (玉里自動車学校・山本秀之教官) 「道、間違っている!ここですよ。大丈夫ですか?」 アルコールは、脳を麻痺させ、注意力や判断力を鈍らせます。 (玉里自動車学校・山本秀之教官) 「危ない!」 急加速、急ブレーキを繰り返し、飲酒運転の車が「走る凶器」になることを実感していました。 (記者) 「酒を飲んで運転すると、疲れますね」 (玉里自動車学校・山本秀之教官) 「車の中の熱気がすごいですよ」 (記者) 「罪悪感がありますね」 山本教官は飲酒する前の岡本記者の車にも乗っていましたが、あまりの運転の違いに驚きを隠せない様子です。 (玉里自動車学校・山本秀之教官) 「だいぶ飲まれてましたね。最初(飲酒前)はすごく丁寧な運転をして、運転も上手だなと思っていたんですけど、今(飲酒後)はアクセルとブレーキがすごく早くて、ジェットコースターに乗っているみたいでした。(飲酒の)差がすごすぎて、僕もびっくりしました」 急加速、急ブレーキ以外にも危険な運転があったそうです。 (玉里自動車学校・山本秀之教官) 「合図が出ていない場所もたくさんありましたよ。途中で気付いて、「あ、そうだ」と途中で気付かれていました。危険だなと思いました」 (鹿児島西警察署交通課・松田健史課長) 「アルコールが入ったら、急加速、急ブレーキがあって、多分、気が大きくなったのかなと思った。飲酒運転の理由のほとんどが、自分だけは大丈夫。距離がちょっとだけだからというものがあります。絶対に飲酒運転をしないということを徹底してほしい」 5月14日、埼玉県三郷市で下校中の小学生が車にひき逃げされ4人がケガをした事件。捜査関係者によりますと逮捕された中国籍の男2人は事件当日の昼過ぎから数時間にわたり酒を飲んでいたとみられるということです。 また、鹿児島市では17日酒を飲んで車を運転したとして39歳の男が逮捕されるなど、県内でも飲酒運転が後を絶ちません。 県警によりますと、2024年1年間の飲酒運転の検挙件数は355件。このうち約4割にあたる145件が事故が起きてから飲酒運転が発覚したということです。