『時速70キロでのバック走行』は「危険運転」か「過失運転」か? 飲酒運転の車と信号機に挟まれ女性死亡 元ホストの男(24)の裁判始まる 熊本

去年(2024年)6月、熊本市の県道で女性1人が死亡した事故で危険運転致死傷罪に問われている男の裁判員裁判が始まりました。男の運転が「危険運転」にあたるかどうかが、争点となります。 ■飲酒運転でバック走行 歩道に突っ込んだ車 事故の直後、現場で立ち尽くしていたのが、元ホストの松本岳(まつもと たける)被告(24)です。 記者(事故当時のリポート)「変圧器をなぎ倒して、軽乗用車は歩道に突っ込んだとみられます」 松本被告は2024年6月、酒を飲んだ状態で軽乗用車を時速70キロほどで後ろ向きに走らせ、制御困難な状態で、信号待ちをしていた熊本市職員の横田千尋(よこた ちひろ)さん(当時27)をはねて死亡させたとして危険運転致死傷などの罪に問われています。 横田さんは、信号機と車の間に挟まれていました。 検察は、松本被告が横田さんをはねる直前にトラックに追突し、飲酒運転の発覚を免れるためバックで逃走したと指摘しています。 ■逮捕時より重い罪で起訴 当初、松本被告は「過失運転致死」の疑いで現行犯逮捕されましたが、その後、より罪の重い「危険運転致死傷罪」で起訴されました。 5月19日に始まった裁判員裁判で、松本被告は「狼狽(ろうばい)して急ブレーキをかけたのではなく、自分の意思でブレーキをかけた」と事故当時のことを話しました。 事件当時と変わって、松本被告は丸刈り姿で法廷に現れました。亡くなった横田さんの父親は、組んだ指に入れながら、長い時間、松本被告に視線を送っていました。 ■『時速70キロバック走行』は「危険運転」か「過失運転」か 今回、争点となるのは、松本被告の運転が危険運転致死傷罪にあたるかどうかです。法律では、危険運転にあたる要件の一つとして「制御することが困難な“高速度”での走行」を挙げています。 事故直前、松本被告がバック走行する様子を捉えた映像があります。これを基に、検察側・弁護側それぞれの主張を確認しましょう。

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