10年前、東京・表参道の高級宝石店からおよそ1億円の貴金属が奪われた事件で、国際手配されていたイギリス国籍の男2人についてイギリスの裁判所は日本への身柄引き渡しは妥当だとして、最終的な判断を内相に委ねました。 2015年11月、渋谷区の表参道ヒルズの宝石店「ハリー・ウィンストン」に、客を装った男ら3人が押し入り、警備員を殴りダイヤの指輪など数十点およそ1億円相当を奪い逃走しました。 警視庁は、2017年にイギリス国籍の容疑者3人を強盗傷害などの疑いで逮捕状を取り国際手配しました。 その後、3人はそれぞれ別の事件でイギリスで拘束され日本政府がイギリス側に対し、身柄の引き渡しを求めていました。 3人のうちジョー・チャペル容疑者(38)と事件当時19歳だった男について、今月16日、ロンドンの裁判所は、日本への引き渡しは問題はないとの見解を示したうえで、クーパー内相が最終的に判断するとしました。 日本とイギリスは、犯罪人引渡条約を締結しておらず、実現すればイギリスからの引き渡しは初めてとなります。 一方で、弁護側はANNの取材に対して高等裁判所への不服申し立てや欧州人権裁判所へ訴える意向を示しています。 一連の裁判では、1審が日本の捜査機関の取り調べは人権侵害の恐れがあるとして引き渡しを認めない判断を示しましたが、日本側が異議を申し立てて審理が差し戻されていました。