捜査関係者の間で“万引き商社”と呼ばれる犯罪組織。 日本で盗んだ商品をベトナムに密輸する、そのベトナム側の拠点とみられる場所でFNNのカメラが捉えた映像では、いくつもの段ボールが運び出される様子が確認できます。 関係者とみられる人物は「客からオーダーがあれば日本へ行き商品を持ち帰ります」と話しました。 19日、警視庁荏原署に入るベトナム国籍のブイ・ビエット・フン容疑者(30)とグエン・チー・カン・ゴック容疑者(30)。 2人の容疑者は2024年9月、美容液や化粧品など33点を盗まれたものだと知りながら受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕されました。 大量に並ぶコスメやサプリメントは、2025年1月に警視庁が押収したもの。 ベトナム人の犯罪グループが、転売する目的でドラッグストアで万引きしたとみられています。 警察庁によると、ドラッグストアでの万引き件数は、ここ数年増加。 2024年1年で1万5000件を超える万引きが発生しています。 こうした大量の万引きは組織的に行われているものなのでしょうか。 FNNは拠点とみられる場所で、そんな“万引き商社”の動きを追跡しました。 ベトナムの首都ハノイのとあるエリア。 看板もない倉庫のような場所ですが、近所の人は「人の出入りが目立っていた」と語ります。 近所の住人: 男性2人と女性2人がいる。日本で盗まれた薬がこちらに送られて、夜中にずっと車でモノを運んでたよ。 すると、倉庫の前に人が現れ、シャッターが開けられました。 足元には段ボール。中に運び込まれていきます。 その後、今度は倉庫から出てきた人物が段ボール箱をどこかへ運んでいく様子が確認できました。 取材班は、関係者とみられる人物の1人に接触。 この場所で何をやっているのか聞いてみると、関係者とみられる人物は「ベトナムのお客さんからオーダーがあれば日本に行き商品を持ち帰ります。商品の中に盗まれたモノがあったとしても、私はわかりません」と話しました。 警視庁などが把握する“万引き商社”の全体像。 ベトナム国内から指示を受け、日本で万引きされた商品は、複数のアジトのような場所に集められます。 盗まれた商品は、このアジトから成田空港、さらに航空便でベトナムへと運ばれるとみられています。 今回逮捕された2人の容疑者は、日本側のアジトを管理する人物とみられています。 警視庁などの合同捜査本部は、新たにベトナム側から日本に指示を出していた男女の逮捕状を取り、組織の実態解明を進めていくことにしています。