千葉県船橋市で20日、刃物を持った男が自宅に灯油をまき、家族を人質に取って立てこもりました。約7時間後、「降参します」と言って逮捕された男は「音楽を聴いていたことを母に注意され、家族全員を殺そうと思った」などと供述をしています。 千葉県警は『ART(突入救助班)』を投入していました。主に捜査一課のメンバーで構成され、立てこもりなどに対応する特殊部隊です。灯油がまかれたとの情報もあり、消防も駆け付けました。 和田敢士容疑者(32)が立てこもっていたのは自分が暮らすアパートでした。現場は千葉県船橋市の住宅や田畑が混在する地域。立てこもりが発覚したのは20日午前6時40分ごろ。「包丁を持って、立てこもっている」と通報したのは、同居する容疑者の兄でした。その兄は安全が確保されましたが、容疑者は母親と妹を人質にとりました。 和田敢士容疑者 「警察が立ち去らないと殺す」 警察は電話での説得を続けましたが、特に和田容疑者からの要求はなかったということです。そのころ、同じアパートの住人は…。 同じアパートの住人 (Q.もう中に入れない) 「そうですね」 (Q.何時に警察に出された) 「今」 (Q.物音や人の声は) 「寝ていて全く気付かなかった。警察の方から連絡をいただいて、やっと事情が分かった」 現場となったアパートの一室は3DK。実際に灯油がまかれていた部屋もありました。和田容疑者は妹と母親の部屋に立てこもっていたといいます。そして、複数の捜査員が待ち構える部屋のドアを自ら開けて「降参します」と言ったといいます。現行犯逮捕された時、包丁2本を所持していました。 和田容疑者が、このアパートに引っ越してきたのは4年前の春。 現場近くで働く人 「お母さんは普通の方」 (Q.近隣トラブルは過去に) 「ない。静かな、物静かな感じ」 現場近くで働く人 (Q.何人家族に見えた) 「ずっと3人かなという印象。いつもフードをかぶっていたり、見えない部分もあった。娘さんも」 和田容疑者は母親と兄と妹との4人暮らしです。ただ一家を知る人も和田容疑者の姿を見かけることはあまりなかったといいます。警察発表で和田容疑者は無職でした。家族を巻き込んだ犯行の動機について、こう話しています。 和田敢士容疑者 「昨日リビングで音楽を聴いていたことを母に注意され、怒りを覚えたので家族全員を殺そうと思った」 和田容疑者にも人質となった母親と妹にもけがはなかったということです。