東京・歌舞伎町の「トー横(東宝ビル横)」に集う少年少女など困難を抱える人を救う活動をしてきた公益社団法人「日本駆け込み寺」(東京都新宿区)の事務局長の男が、コカインを所持したとして警視庁に逮捕された事件で、新宿区の吉住健一区長は20日夜、自身のX(旧ツイッター)を更新し、区と同団体との連携を停止するよう庁内に指示したことを明らかにした。 吉住区長は事件について「個人の行為であっても相談者を関わらせたとすれば非常に重要な事態だ」との認識を示し、「正確な情報収集と現時点での連携停止を指示した」と投稿した。 事件は、事務局長を務めていた田中芳秀容疑者(44)が18日夕、新宿区大久保の路上でコカイン1袋を財布の中に所持した疑いで警視庁が現行犯逮捕。一緒にいた20代の女も薬物反応があったことから、コカイン使用の疑いで緊急逮捕されていた。女は同団体の相談者で、田中容疑者が薬物使用を勧めたとみられている。 日本駆け込み寺は、トー横キッズをはじめ、家庭内暴力や金銭問題など、さまざまな問題を抱える人からの相談を受ける活動を20年以上にわたり行っている。悪質なホストクラブが利用客に多額の売掛金を背負わせる問題を中心に解決を図る「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」も関連団体として設立。新宿区は各種問題の解決に向けた連携関係を続けてきた。