“京都府警の警察官”を名乗るうその電話をきっかけに、30代の男性が、700万円をだまし取られていたことが分かりました。犯人らは、本来存在しない“凍結捜査差押許可状”などの書類の写真を、コミュニケーションアプリで送ってきたということです。 高知県警によりますと、24日、高知市に住む30代の男性のスマートフォンに、“京都府警 伏見警察署の警察官”を名乗る男から、「〇〇さん(男性の名前)ですか?事件の家宅捜索で300枚を超えるキャッシュカードが出てきた。あなた名義のキャッシュカードがマネーロンダリングに使われているが、身に覚えはないか。財布を無くしたことはないか」などと電話がありました。 男性は「財布を無なくしたことがある」と伝えると、“伏見警察署の警察官”を名乗る男は「個人情報が流出したかもしれない。私はあなたを疑っている。今までに8000万円ぐらいが流用されている経緯がある。令状が出ているので電話を転送する」などと言いました。そして、電話は“伏見警察署の刑事・前川(まえかわ)”を名乗る男に代わりました。 “前川”は、コミュニケーションアプリを使って男性とビデオ通話を始めると、男性に“警察手帳”のようなものを見せたほか、「あなたに逮捕状が出ています」などと言って“凍結捜査差押許可状”や“逮捕状”の写真を送ってきました。この“凍結捜査差押許可状”と“逮捕状”には、男性の名前が記入されていたということです。 その後、電話は“検事の中山(なかやま)”を名乗る男に代わり、男性は「指定する口座にお金を振り込んでほしい。お金は後で返ってくる」などと言われました。男性は言われた通り、指定された口座に、5回にわたって合計700万円を振り込み、だまし取られたということです。 高知県内では今年に入って、判明しているだけで38件の特殊詐欺被害が発生していて、被害総額は2億円近く(1億9870万円)にのぼっています。