川崎市内で昨年12月から行方不明となっていたアルバイト女性(20)の遺体が見つかった事件で、県警は28日にも、同市川崎区大師駅前2丁目、元交際相手の無職の男の被告(27)=死体損壊、死体遺棄の罪で起訴=をストーカー規制法違反の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。県警は引き続き、女性が死亡した経緯についても同被告の関与を調べる。 県警によると、女性や家族は、昨年6月から同被告による暴力行為やストーカー行為について県警に繰り返し通報や相談をしていた。女性は昨年12月9日と同12日の2回、同被告が自宅周辺をうろついていると通報したが、県警は女性から詳しい状況を確認できなかったとしてパトロールなどの対応にとどまった。 女性は同20日に行方が分からなくなり、2日後に親族の通報で把握した県警が捜索を開始。同被告への任意聴取も行い、同被告は同26日に「(12月)12日に『別れよう』と言われた。話がしたかったので、12~17日に(女性の)家や店の前でうろついた」などという趣旨の説明をしたという。 県警はストーカー規制法の適用可否を検討したが、供述や証拠の具体性が乏しく、この時点では家宅捜索などの強制捜査は行わなかった。任意聴取を継続する中で、今年3月25日に行った7回目の聴取で同被告がストーカー行為を初めて認めたほか、翌4月上旬から同被告の所在が分からなくなったことなどから、県警は同30日に同法違反容疑で同被告の自宅を家宅捜索。室内の床下から女性の遺体が入ったバッグが見つかった。その後、司法解剖で遺体に焼いた痕が確認された。 所在が分からなくなっていた同被告が海外から帰国した5月3日に県警は死体遺棄容疑で逮捕。横浜地検は同23日、死体損壊と死体遺棄の罪で起訴した。