「大川原化工機」のえん罪事件をめぐり、会社の社長らが東京都と国に賠償を求めた裁判の控訴審で、東京高裁は捜査の違法性を改めて認め、賠償を命じる判決を言い渡しました。 化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人は、軍事転用できる噴霧乾燥機を中国などに不正輸出したとして逮捕・起訴されましたが、初公判の直前に起訴が取り消されました。大川原社長らは東京都と国に賠償を求める訴えを起こし、警視庁公安部の捜査は違法だったなどと主張しています。 きょうの控訴審判決で東京高裁は、公安部の捜査について、「再度の温度実験などの追加捜査を実施していれば、乾燥機が『輸出規制に該当しない』という証拠を得ることができた」と指摘。 3人を起訴した東京地検の判断についても、「合理的な根拠を欠いていた」などとして、捜査の違法性を改めて認め、東京都と国に対し、1審判決を上回るあわせておよそ1億6600万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。