三重県亀山市の新名神高速道路下り線で、逆走した車を避けようとした複数の車が巻き込まれた事故で、県警は29日、逆走車を運転していたペルー国籍の無職ロッシ・クルーズ・ジョン・エリアス容疑者(34)=滋賀県長浜市=を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで再逮捕し、発表した。「高速道路を逆走し、車の妨害をしたことは間違いない」と容疑を認めているという。 三重県警高速隊によると、同容疑者は18日午前11時ごろ、新名神高速の下り線で乗用車を逆走させ、車の通行を妨害。気付いて停車した車に後続の大型トラックを追突させて4台が絡む玉突き事故を起こし、40~60代の女性4人に首などに軽いけがを負わせた疑いがある。県警は、逆走によってほかの車が事故を起こしかねないという認識が同容疑者にあったとみて調べている。 捜査関係者によると、同容疑者はこれまでの捜査で「道を間違えた」という趣旨の説明をしているという。逆走車は滋賀県甲賀市の下り車線から三重県鈴鹿市まで、少なくとも10キロ逆走したとみられる。放置された車は翌19日、同県四日市市内の一般道路上で発見された。 県警は19日、ほかの車2台に当て逃げした道路交通法違反(事故不申告)容疑で同容疑者を逮捕していた。(小林裕子)