カピバラ5匹と麻薬を押収。コスタリカで麻薬犯罪と外来種の流入が交差する異例の取引摘発

コスタリカの警察は5月22日、太平洋沿岸の高速道路で逃走車両を追跡・制止し、クラックコカインとマリファナに加えて、世界最大の齧歯(げっし)類であるカピバラ5匹を押収したと、AP通信やCBSが報道している。 カピバラは南米に生息する半水生動物で、モルモットの近縁種。近年SNSなどで人気が高まっているが、コスタリカには生息しておらず、カピバラの所持・輸送・密売は違法とされている。 逮捕されたのは前科のある男2人。車内からは薬物や動物のほか、ナイフやプラスチック製の拍車(乗馬者の靴のかかとに付け、これで馬の腹を刺激して御するのに使う、金属製の馬具)なども見つかった。マリオ・サモラ治安相大臣は「麻薬犯罪と外来種の流入が交差する事例であり、重要な摘発だった」とコメントしている。 警察は、クレートに入れられたカピバラたちの映像や写真も公開。これまでコスタリカでカピバラが押収された記録はなく、環境公安省は「国内初の違法カピバラ取引の摘発であり、野生動物違法取引との戦いにおける節目」と声明を発表した。 カピバラたちは国立自然保護区制度に基づき、獣医師による評価の後、野生には放たず保護施設で環境保全プログラムに活用される予定だ。 なお、コスタリカでは先日、体に薬物を巻き付けて刑務所に侵入しようとした「密輸猫」も発見されており、動物を利用した違法行為が続いている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加