東京・歌舞伎町を拠点に若者の支援などを行う公益社団法人「日本駆け込み寺」の元事務局長の男がコカイン所持の疑いで逮捕され、東京都新宿区が同法人への補助金や連携を打ち切ったことを巡り、吉住健一区長は2日の定例記者会見で、組織に対して連携中止という措置を取ったことについて「役職者による犯罪行為である可能性を考慮した」と理由を述べた。 同法人などによると、区はこれまで、来所者らに食事を提供する同法人の「子ども食堂」の事業に対し、年間90万円の補助を実施してきたが、元事務局長の逮捕を受け補助金を中止した。また、自殺対策に関する意見交換会への参加を打ち切ったほか、清掃活動のために区が貸し出していた「ゴミカート」などの用具も返却を求めている。 容疑者個人の犯罪行為に対し、区が組織に補助金や連携の中止という一連の対応を取ったことについて、記者会見で吉住区長は、「公益社団法人の役職者が犯罪行為を行った場合は法人格が廃止になる場合もあることを前提に判断した」と説明。「詳細がまだ分からない。警察による捜査を注視していく」と述べた。 同法人を巡っては5月18日、元事務局長の男(44)が、区内の路上でコカインを所持した疑いで警視庁が現行犯逮捕。一緒にいた同法人に相談に来ていた20代女性にも使用を勧めていたとみられ、薬物反応があったことから女性も使用容疑で緊急逮捕されている。