英語の国際テスト「TOEIC」で中国人留学生が替え玉受験をしようと試験会場に侵入したとされる事件で、逮捕された京都大大学院2年、王立坤容疑者(27)=京都市左京区=がカメラと通信機能の付いた「スマートグラス」を会場に持ち込んでいたことが捜査関係者への取材で判明した。警視庁は、王容疑者が解答を第三者に伝える組織的なカンニングに関与していたとみて調べる。 また警視庁は6日にも、過去のTOEICで別人の受験票で受験したとして、王容疑者を有印私文書偽造・同行使容疑で再逮捕する方針。 王容疑者は5月18日、東京都板橋区の試験会場に別人の身分証明書を使って入ったとして建造物侵入容疑で現行犯逮捕され、有印私文書偽造・同行使容疑でも送検された。 捜査関係者によると、王容疑者から、マスクに仕込まれた小型マイクやスマートフォンも押収。スマホの解析では、少なくとも10人に解答を音声で送信しようとした記録が確認された。 試験では43人が王容疑者と同じ住所で申し込んでいた。居住地によって試験会場が決まるため、警視庁は同じ会場で受験できるようにしていたとみている。 スマートグラスを巡っては、2024年2月にあった早稲田大の一般入試でも問題を外部に流出させる手段として使われたとされ、警視庁が受験生を偽計業務妨害容疑で書類送検した。【菅健吾、朝比奈由佳】