日大の重量挙げ部などが奨学生の部員から不正に金銭を徴収し、流用していた問題を巡り、警視庁捜査2課は10日、詐欺の疑いで、同部の元監督、難波謙二容疑者(63)=東京都狛江市=を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、令和4年12月、5年度入学予定の高校3年の保護者4人に対し、噓の内容を伝え、本来免除される授業料などの名目で205万円をだまし取った疑いが持たれている。 重量挙げ部の不正徴収問題は昨年7月に発覚。ほかに陸上部とスケート部でも不適切徴収があったことが判明している。難波容疑者は同月、同大生物資源科学部の教授職を懲戒解雇され、監督も解任された。 日大は昨年12月、被害を受けた元奨学生や保護者への返金を完了したと発表。重量挙げ部の不正徴収は少なくとも平成26年以降約10年にわたっており、それ以前の被害を申し出た人も含め、返金対象者は延べ58人、遅延損害金なども含めた返金総額は5326万6430円に上った。