奨学生に虚偽の請求書を送って必要の無い学費を支払わせたとして、詐欺容疑で逮捕された日本大重量挙げ部の元監督、難波謙二容疑者(63)が、学生側に支払わせた学費を自身の高級外車のコーティング代やスーツの購入などに充てていたことが捜査関係者への取材で判明した。警視庁捜査2課は、詐取した現金の多くを難波容疑者が私的に利用していたとみて調べる。 逮捕容疑は2022年12月、重量挙げ部に入部予定の奨学生の保護者4人に、免除されている入学金や授業料を入金するよう求める虚偽の請求書を送付し、計205万円をだまし取ったとしている。 警視庁は、難波容疑者が少なくとも15年度からの10年間で、入学した奨学生や保護者48人に「支払い免除は2年目から」と虚偽の説明をし、計約3800万円をだまし取ったとみている。 捜査関係者によると、詐取した現金は、スーツ代や高級外車BMWの点検やコーティング代、香水、バッグの購入費に充てられていたとされる。 奨学生からの現金は同部の口座に振り込まれていた。難波容疑者から指示されて虚偽の請求書を作成したとされるコーチが現金を引き出し、難波容疑者に渡していたという。難波容疑者は現金を自身が教授を務める生物資源科学部の研究室のキャビネット内で保管し、自由に使えるようにしていたとみられる。【山本康介、長屋美乃里】